サッカーW杯:日本がベスト4にこだわるワケ
日本代表の岡田武史監督(53)は2日、あらためて「ワールドカップサッカー南アフリカ大会の目標はベスト4」と語った。かなり無謀とも思われるが、冗談ではなく、真剣に語った目標だ。
岡田監督は同日、日本のメディアとのインタビューで、「われわれはベスト4を目指している。本気になった選手は正直、自分でも驚くほど増えた。選手にも波があり、ちょっとした壁に当たってなえてしまうこともある。それを乗り越えて戻ってきてくれる選手もいる。だから常時何人とはいえないが、僕の感覚では昨年の今ごろ数人だったのが10人以上、15人以上になってきた。」と語った。
そして、「僕だけではない。選手もスタッフもみんなが『行ける』という感覚を持っている。オランダ遠征はものすごく大きなことであり、一つのきっかけだった」とも。日本代表は昨年9月、オランダに0-3で敗けたが、ガーナには4-3で勝った。
岡田監督のこうした発言は今回が初めてではない。すでに4回目だ。2006年ドイツW杯の惨敗後、ジーコ元監督の後任としてオシム前監督が日本代表の司令塔になり、オシム前監督が健康を害し08年初めに岡田監督がバトンタッチした。岡田監督は就任直後にW杯ベスト4入りを宣言、日本のメディアだけでなく、サッカーファンまでも驚かせた。その後も機会があるたび、ベスト4に言及している。
日本はなぜ、このようにW杯ベスト4入りにこだわっているのだろうか。
それは、ジーコ元監督がきっかけだった。ドイツW杯まであと1年という05年、ジーコ元監督は「W杯ベスト4が目標」と語った。理由はありがち。韓国のためだ。02年の韓日共催W杯で、日本は史上初のベスト16入りを果たした。だが、ベスト16を通過、その後ベスト8を経てベスト4にまで入った韓国のために、共催国・日本の栄光は色あせた。ジーコ元監督の発言が飛び出すと、ロイター通信は「韓国サッカーの成功に刺激を受けた日本サッカー協会関係者がジーコ監督を窮地に追い込んでいる」と非難した。日本はドイツW杯でブラジル・クロアチア・オーストラリアと同じ組になり、3戦全敗している。
岡田監督がベスト4発言を繰り返しても、日本のサッカーファンの反応は今ひとつだ。今回のW杯のアジア第3次予選や最終予選で拙戦を重ねた岡田監督の人気は地に落ちている。ヤフーなど日本のポータルサイトでは「W杯ベスト4なんて無理」「W杯敵地での初勝利が先では」といった厳しい声が絶えない。
日本サッカー界のヒーロー、三浦知良は「W杯ベスト4に挑戦する岡田監督に拍手を送る」と言ったが、現実的な目標を立て、きちんと段階を踏んでいくべきという指摘のほうが多い。
岡田監督は日本がW杯ベスト4に進出するための課題として、次の三つを挙げた。第1に相手よりたくさん走ること。第2に1対1で押されないこと。第3に正確さを高めることだ。これらの課題をクリアするのはそれほど容易ではなさそうだ。
パク・ジェホ記者
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