2010.01.04

【NEW1/4】せめて束の間の休息を!!

早いもので新年を迎えてはや4日。もっとも私には正月も大晦日も全然関係ないのですが、世間様が勝手にそんな慣習を決めてしまったのでやはり無視する訳にもいきません。

年末から年始にかけてグアムに行ってきました。
バカンスではありません。
倅と「親子稽古」のキャンプ(合宿)が目的でした。毎日、ハイアットのトレーニングジムとプール、時には浜辺で空手とサバキ柔術の練習に明け暮れました。

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倅は減量中ですが、熱帯の異様な陽射しの下でのトレーニングは極めて厳しく、だから練習以外は腹一杯に食べてひたすら寝ていました。
今となればキャンプとは言いながらも苦しくも楽しいトレーニングの10日間でした。

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帰国したらドッと疲れが出て、2人で発熱…まる2日間、死んだように寝込みました。
そして今日。
何とか熱も下がり気味で、疲れも取れてきたかと思えば…今度は、今年1年の仕事やprivateにおけるtroubleを考え始め、またも眠れない日々が始まりました。

仕事なんてしたくないのです!!
何も苦労して会社経営などしたくないのです!!
身を削りながら本など書きたくないのです!
privateで煩わされたくなどないのです!
倅の空手も、あんな大変な思いなどさせたくないのです!!
私だって、半世紀も生きてきたのに今更サバキだ柔術だ空手だなんてやりたくないのです!
しかし、夢現舎のstaffや某会の「兄弟」など大切なfamilyは守りたい。
倅には人間として強くなって欲しい。
何より銭を稼がなくてはならないのです!!

倅は勿論、会社のstaffや某会幹部ならばご存知のようにKojimaは常に「最悪」を意識して生きてきました。かつて、ある友人が私に言いました。
「オマエな、どう足掻いても結果は同じなのだから、せめて成功する事だけ考えて生きるのが楽しいじゃん」
私は訊きました。
「それで、もし失敗したり負けたり上手くいかなかったらどうする?」
少し考えて彼は答えました。
「そん時は、まさか!? って驚いて気持ちはドン底に堕ちるけど…そんなのは何日か経てばまた忘れて次の事を考えて夢を見ればいい。成功すればいいなあ!! 勝てればいいなあ!! ってなるから結果的にはオマエみたいに毎日最悪を考えてるより健康的じゃん」
そんな生き方もあるのか!? つくづく幸せな生活だなあ…。
私は感心したものです。
しかし仮に山で遭難し、どうしようという時、無事に帰れると楽観視していて、突然熊に襲われたり雪崩れに遭ったらどうする!?
彼は「そん時は終わりだと諦めるよな」と一笑に付しました。
私は熊に襲われたくないし雪崩れに遭いたくないのです。

「風林火山」の如く、ケースバイケースで、辛い時には「山」のように動揺せず動かない。何とかしようと思えば「林」のように静かに情報収集に専念し、「風」のように速く手を打ったり布石を敷いたり根回ししたり…。
それで初めて「火」のように勇敢に攻撃出来ると私は信じています。


一見、無謀に見られてもそれだけ用意周到に頭を巡らし打つべき手を打ってこそ徹底的な攻撃が出来るのではないかと思うのです。
しかしです。
毎日毎日、「風林火山」の教えに則って生きるのは常に命を賭けた戦国武将でも戦争中の司令官ではないのだから、疲れてしまいます。
司馬遼太郎先生の小説「坂の上の雲」に登場する秋山兄弟も児玉源太郎も、日露戦争に精魂傾けたが故に、戦後直ぐ亡くなったり廃人になったり悲惨な最後を遂げるのです。
私はそうはなりたくないのです。
本当にHAWAII辺りで豊かで静かな老後を過ごしたいのです。
でも…その為にも今は闘わなければならない。嫌なのに!! これを二律背反と言うのでしょうか? 心の安らぎを求めるが故に闘いの日々を送るなんて、いったい何時まで闘い続ければいいのでしょう?

今年があらゆる闘いの天王山になるのは間違いありません。あれもこれも、何もかも闘いの連続です。
ならば今は戦の前の一時の休日なのか!? それとも嵐の前の静けさか…。
ああ嫌で嫌でなりません。

だから私は矢沢永吉のように常に闘い続ける生き方に憧れはするものの、最近は疲れてしまうのです。松井章圭のように巨大な組織を背負い、山程の難題を抱え、無数の敵を作りながら闘うなんて私には出来ません。
しかし、あの松井章圭でさえ私とprivateでの2人の時は、いつ引退するか!? どのように身を引くか!? などと弱気な顔を見せた事もあります。決して自身が語るように松井も超人ではないのです。そんな人間臭さが私は好きなのです。
悪役を演じたくないのに悪役にならなければならない。しかし一旦悪役になったら本物の悪人になりきる。そんな松井章圭が羨ましく思えます。私にはまだ多少の躊躇いがあります。
よく言います。
例え敵が100人、ダンビラ構えていても、松井章圭ならば風林火山の如く十分な準備をするでしょうが、最後は独りで立ち向かっていくでしょう。決して逃げず、諦めず、闘い通すでしょう。
しかし私にはそこまでの度胸がありません。
何度も逃げる事を考え、実際に逃げ道を探し、パニックになりながら精神錯乱に陥り、どうしても逃げられない!! 逃げたら後々まで笑い者にされる、恥は晒せない…。
そうして狂ったように敵に向かっていくでしょう。

繰り返します。
今年1年間は逃げ出したい事ばかりです。何度もパニックになるでしょう。引き籠りのように一時避難する事もあるでしょう。苛立って感情丸出しの罵声を撒き散らす事もあるでしょう。
それでも絶対、逃げてはいけないのです!!
攻撃は最大の防御です。
精一杯冷静にかつ冷徹に!
「火」の如く闘い続ける覚悟です。
ただ、後ほんの数日だけ…心を穏やかに、気力が満ちてくるのを待ちたいのです。
せめて束の間の休息を!!

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(了)

samurai_mugen at 07:11│clip!駄文