ワシントン(CNN) 世界各地の疫病や貧困の対策に取り組んでいる、クリントン元米大統領の財団「クリントン財団」は2日、2009年の寄付者とその金額を発表した。
最高額はノルウェーの合計1000万ドル(約9億3000万円)余りで、オマーンの合計100万─500万ドル(約9300万─4億6500万円)がこれに続いた。ただし過去に同財団に寄付してきたサウジアラビアやクウェート、カタール、ドバイ基金、ブルネイからの寄付は、09年にはなかった。
クリントン氏の妻であるヒラリー・クリントン米国務長官は、昨年の就任前の公聴会で、各国政府や外国企業から同財団への寄付が米国の外交政策に影響し、利害の衝突が発生する恐れがあるのではないかと一部議員から指摘された。クリントン長官は最終的に、寄付者のリストを公表することに同意し、外国政府からの寄付については政府の倫理担当弁護士による調査を受け入れた。
寄付者の企業に目を向けると、米政府からの公的資金注入を受けた銀行大手バンク・オブ・アメリカは昨年も同財団に寄付したが、保険大手AIGや自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディーマック)は寄付者から姿を消した。
また、1990年代にクリントン夫妻を痛烈に批判し、保守派通信社ニューズマックスを創設したクリストファー・ルディ氏は同財団に寄付した一方、同じ頃クリントン夫妻の敵対者を支援しながら、過去に同財団に寄付したことがある富豪リチャード・メロン・スケイフ氏は昨年寄付しなかった。