自助活動の広がり、「自分自身で、共に」
<参考資料>
「回復の8ステップ」
1.私は、認めます。
私には、仲間や家族、さらには専門家の力が必要な事を認めます。
私ひとりでは回復できないことを認めます。
ひとりでは生きていくことが出来ないということを認めます。
それによって助けを得ることが出来ます。
もはや、私は一人ではなく、孤独ではありません。
2.私は、信じます。
今や、私は信じるようになりました。
自分自身の中に偉大な内なる力が備えられていて、この力を用いて自分自身と仲間を助けようとしていることを。
3 .私は、理解します。
私は、様々な不快な症状、時には望まない行為によって、自分自身の感情を表現せざるを得なかったことを理解します。そして、私は、深い自分自身の感情に気付き、仲間と語り合い、分かり合う事の大切さと可能性を信じるようになりました。
4.私は、選びます。
私は、回復を望み、幸せになろうとしています。
私は、そのような自分の選択に対して、十分な責任を持ちたいと思っています。
そして、それが生きがいのある毎日を過ごすためにとても大切な選択であるということが、心の底からわかっています。
5.私は、許します。
私は、今までしてきた自分の過ちを許し、弱さを受け入れます。
同時に、私は、私を今まで様々な方法で、傷つけ害してきたあらゆる人々を許します。
そして、私自身をそれらのとらわれから解放します。
6.私は、受け入れます。
今や、私は誤った考えや自分をくじけさせる考え方が、私の失敗、恐れ、不幸を起こしてきたことを認め受け入れます。
そして、私は、今までの生き方のパターンを根本的に変える準備が出来ています。
これによって私の人生は変わるでしょう。
7.私は委ねます。
私は、私を超えた偉大な力に自分の人生を委ねる決心をしました。
今までの自分のありのままを委ねます。
私は、私自身が深いところで変えられることを願います。
8.私は、伝えます。
私は、精神障害という有用な体験を通じて学んだ生き方のメッセージを、仲間や家族そして社会に伝えてきます。
ステップの作成にあたっては、英語が得意なメンバーの山本賀代さん等も参加し、当事者が中心になって、日本語に翻訳されているものと、英語の原文と、A・Aのステップとを比較検討し、また、浦河での当事者としての経験や文化に合うようにオリジナルに改良していった。例えば「私は降参します」を「私は認めます」にして、ステップ3に「自分のコントロール障害」の視点を加え、もともと6つステップだったものを、2つ加えて8つのステップにし、馴染みの言葉に置き換える工夫を重ねた。もともとのマニュアルには「幻覚・妄想があり、ミーティングについていけない人は遠慮していただく」という趣旨の文言があったが浦河では適用していない。
浦河でのS・A発足のきっかけをつくった清水里香さんが統合失調症(精神分裂病)という病名を主治医である川村先生からもらったとき、「仲間と同じ病名でよかった」という感想を語ったというエピソードは、べてるの歴史的名言のひとつである。
今では、札幌や苫小牧でもS・Aの当事者グループができ、当事者で自主的に運営しながら、豊かにつながり、語り合っている。S・Aという病気で苦労しながらも堂々と生きることのできる場作りを通じて、自助グループの持つ意味の大きさをあらためて感じる。