年末年始の主な番組の視聴率が2日、ビデオリサーチの調べで判明した。大みそかに放送された「第60回NHK紅白歌合戦」第2部の平均視聴率は、40・8%(関西地区は40・3%)と08年に続き40%台をキープ。当初「目玉がない」と30%台への転落も懸念されていたが、サプライズで登場した矢沢永吉(60)や初出場の嵐らの“活躍”で何とか面目を保った格好だ。ただ、前年の42・1%からは1・3ポイント下がっており、節目の“還暦紅白”とあおった割には物足りない数字に終わった。
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紅白が2年連続の視聴率40%台をキープした。昨年11月の出場者発表の段階では「嵐が出場するが、大物に逃げられ目玉がない」と散々な評判。07年以来となる30%台に逆戻りする可能性がささやかれていたが、本番直前の12月30日になって矢沢の出場が判明。これが最後の一押しとなったようで“危険地帯”突入は何とか回避された。
関係者は事前には「数字は気にしていない」と口をそろえていたが、舞台裏では必死だった。視聴者の興味を引こうと、最後まで矢沢の名前は秘密のまま。人気の高い嵐の直後に出番を設定し、注目度をアップさせようとするなど手を尽くした。
発表のタイミングも入念に組み立てた。スーザン・ボイル(48)の出場が明かされたのが12月24日。その2日前の22日に加藤清史郎(8)が司会を務める「こども紅白」の企画を発表し「こども-ボイル-矢沢」の3段ロケットで最後に勢いをつけた形となった。NHKの近藤保博エンターテインメント番組部長は「矢沢永吉さんが圧倒的な歌の力を示しました。40%以上の支持をいただいたことに大変感謝しています」と喜びのコメント。
ただ、裏番組のTBS・MBS系「Dynamite!!」(後半)が16・7%、日本テレビ・読売系「ガキの使いやあらへんで!!年越しSP」(前半)が16・4%と大きく伸びなかったにもかかわらず、昨年より低い数字だったことも事実。年間最高視聴率も、ボクシングのWBCフライ級王座戦「内藤大助VS亀田興毅」の43・1%には及ばず、サッカーW杯や野球のWBCなどが上位を占めた06年以来の首位陥落。60回の節目としては物足りなさの残る結果となった。