小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の会計処理を巡る問題で、東京地検特捜部が会計事務担当者だった同党の石川知裕衆院議員(36)=北海道11区=を政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で任意で事情聴取したことが関係者の話で分かった。陸山会を巡っては、小沢氏側のプール金とみられる約5億円が04年、五つの政治団体を介して陸山会側に集約されていたのに政治資金収支報告書に記載されていない疑惑が浮上。04年に購入した土地を翌年の収支報告書に記載して刑事告発された点と併せて説明を求めた模様だ。
特捜部は既に石川議員の後任の会計事務担当者で元私設秘書を聴取していた。当時の会計責任者で小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規被告(48)=公判中=については、年明け以降に事情聴取し全容解明を目指す。
関係者によると、小沢氏側のプール金とみられる約5億円は04年10月、同氏の政治団体「小沢一郎政経研究会」など5団体の口座に入り、その1~2日後、6~7回にわたって陸山会の口座に振り込まれるなどした。
直後の10月29日、陸山会は約3億4000万円で東京都世田谷区の土地を購入。同日中に金融機関で4億円分の定期預金を組み、これを担保に小沢氏名義で4億円を借り入れた。小沢氏の事務所は借入金を土地購入の原資と説明しているが、代金は借り入れ前に支払われた。特捜部は5団体経由の約5億円が充てられた可能性もあるとみている模様だ。
石川議員は96年から小沢民主党幹事長の秘書になった。
毎日新聞 2009年12月28日 東京朝刊