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陸山会不透明会計:「資金洗浄」の疑いも…5億円移動

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」を巡る不透明な会計処理がまた明らかになった。小沢氏側のプール金とみられる約5億円が政治資金収支報告書に不記載のまま五つの政治団体を介して陸山会に移動していた。この資金移動は陸山会が約3億4000万円で東京都世田谷区の土地を購入した直前に行われており、表に出していなかった資金が土地購入に充てられたとすれば、一種の「資金洗浄」だった疑いも浮かぶ。

 土地購入問題では、04年10月だった売買を翌年1月と記載したことが政治資金規正法違反(虚偽記載)にあたるとして、当時の同会事務担当者だった同党の石川知裕衆院議員=北海道11区=らが刑事告発され、東京地検が捜査している。告発状では、陸山会側が土地購入資金について、4億円の預金を担保にした同額の借入金と説明していることに対し「預金の原資となった収入が一切記載されておらず、預金が突然に保有資産として発生しており極めて不自然」と指摘。土地購入の原資が何だったのかも問題となっていた。

 そこに発覚した約5億円の資金移動。それが未記載だったという問題は形式的な購入時期の誤記載などとは著しく性格が異なり、今後の捜査の焦点になるのは必至とみられる。

 偽装のため複数の政治団体を介する手法は、小沢氏の公設秘書が逮捕・起訴された西松建設違法献金事件とも共通する部分がある。同社は二つの政治団体による正規の寄付を装い、違法な企業献金を隠したとされる。今回のケースも一見、小沢氏に関係する政治団体間の寄付に受け取れるが、実態は小沢氏側のプール金が原資だったことを隠す意図があった可能性がある。

 24日に規正法違反で元秘書が在宅起訴された鳩山由紀夫首相の資金管理団体を巡る偽装献金事件は、元秘書が、首相や実母の手持ち資金の一部を政治資金に移したものだった。「鳩山マネー」の原資は、豊富な資産を背景にした自己資金と実母からの提供資金だったが、小沢氏側の約5億円は、どんな性格の金なのか。複数団体を介して陸山会に移した理由はなにか。なぜ、この移動を記載しなかったのか。小沢氏や石川氏は詳しい説明をしておらず、特捜部による解明が待たれる。

毎日新聞 2009年12月26日 2時30分(最終更新 12月26日 8時42分)

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