2009年7月21日21時0分
真夏の戦いに向けて麻生首相が決断した衆院解散をどうみるか。各界の人たちに名付けてもらった。
■しっぺ返し解散/反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠さん
自民党は前回総選挙で大勝して以降、「みんなが我慢して今を乗り切れば、企業が成長し、生活は自然によくなる」と言ってきた。しかし、国民は生活保護の母子加算廃止、後期高齢者医療制度、派遣切り問題などで痛みを強いられっぱなしだ。みんなが自分の将来に不安を抱き、政権への批判が大きく膨らむ中で解散せざるを得なくなったのは末期的。痛みに耐えてきた国民が、自民党にしっぺ返しをした形だ。
■南極物語解散/経済アナリストの森永卓郎さん
南極に置き去りにされた自民党議員たちは、民意の猛吹雪の中、次々に凍死していく。救助を試みる南極観測船(自民党)もあきらめるほかない。結局、生き残るのは毛並みのいいタロ(麻生太郎首相)とジロ(小泉元首相の後継の進次郎氏)。今回の自民党の立場は、前回の郵政選挙での民主党と同じだ。逆転満塁ホームランを打つしかないが、鳩山さんの「故人献金」問題でも攻めきれず、万策尽きた感がある。
■損切り失敗解散/漫画家の倉田真由美さん
“自民城”の中は、やけくそになって火が放たれたり、仲間割れが起こったりと、「もはやこれまで」の白旗直前状態に見える。撤退(解散)の決断をもっと早く下すべきだった。城主の麻生首相だけが悪いのではない。「いま解散しちゃ困る」と、ほかのみんなもマイナスの流れに引っ張りすぎた。株で言うところの、早めの「損切り」に踏み切れず、結局は大損してしまうという典型的な負けパターンだ。
■お手上げ解散/政治アナリストの伊藤惇夫さん