2010年1月3日
【ワシントン=勝田敏彦】米紙ニューヨーク・タイムズによると、ドイツのコンピューター技師チームが、GSM方式のデジタル携帯電話で使われている暗号を解読する方法を見つけた。日本と韓国以外のほとんどの国で使われている方式で、通話の盗聴ができるようになる可能性があるという。
報道によると、解読されたのは携帯電話端末と基地局の間の通信で使われている「A5/1」と呼ばれる暗号。解読には膨大な計算時間がかかることなどが安全性の根拠になっていた。
しかし約20年前の技術で、解読に使うコンピューターの計算速度が速くなると必ずしも安全とはいえないこともわかっている。「解読した」との報告はこれまでもあり、チームのカーステン・ノール氏は同紙に「携帯電話会社がもっと安全な暗号を使うよう促すための研究だ」と述べた。
GSM方式の携帯は世界で34億人以上が利用している。GSMの世界団体GSMA(本部・ロンドン)は報道を受け、「必要があれば、携帯電話会社は、盗聴がより困難になるよう設定をすぐ変更できる。また盗聴は違法行為だ」とする声明を発表した。