韓国の自然科学系学術誌の水準は?(下)

イラスト=金賢智(キム・ヒョンジ)記者

■韓国の論文判断基準を変えるべき

 韓国の学術誌の水準低下には、政府の責任も一端ある、というのが学界の指摘だ。現在韓国政府は、論文を評価する際、論文そのものの水準ではなく、掲載された学術誌の水準を基準としている。従って、論文の引用指数がどれほど高くても、引用指数が低い学術誌に掲載されていれば、その論文は低く評価される。こうした状況では、韓国の研究者も韓国の学術誌からは顔を背けるしかない。KAIST化学科の劉竜(ユ・リョン)教授は、「研究成果の評価基準を論文そのものの引用指数に変えてこそ、はじめて韓国の学術誌が成長する土台が築かれる」と語った。

 韓国の学術誌が国際学界から認められるためには、海外に積極的にPRする必要がある。実際、『韓国物理学会誌』が危機に直面している一方で、同じく韓国物理学会が発行しているSCI級の学術誌『現代応用物理(CAP / Current Applied Physics)』は、海外の有名出版社エルゼビアと提携し、成長している。『現代応用物理』誌は、エルゼビア社を経由して世界の主要な図書館にオンライン・オフラインで配布され、引用指数も向上した。全世界に流通網を備え、輸出が増えたのと同様の状況となっている。

 梨花女子大ナノ科学部のウ・ジョンウォン教授は、「スポーツ・文学・芸術によって国家イメージが改善されるように、世界的な韓国の学術誌は、韓国の国格を高めることができる」と語った。

趙虎鎮(チョ・ホジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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