現在、このおぞましい犯罪的「第九」が二つのチャンネルから同時に流れてきている。ま〜、分かってはいたが、私が研究に研究を重ね、ようやくベートーヴェンの意図する「第九」にほぼ近づく演奏が出来たばかりなので余計に(泣)。
ベートーヴェンの研究は、近年世界中で目覚しい進歩を遂げてきた。それにより、20世紀にめちゃくちゃになってしまったベートーヴェンの演奏様式がようやく正しくなりつつあるというのに、今(大晦日の21時前後)おぞましくも鳴り響く二つのチャンネルからの「第九」は、ベートーヴェン作曲ではない!!
20世紀(一部は19世紀の内に)という化け物によって哀れにもまったく形を変えられ、編曲されてしまった惨めな「第九」!
なぜ、せっかくこの惨めさを救うべく正しくされた楽譜を使わないのだろうか!現在は、今までの間違いだらけの楽譜はすべて廃版になったというのに。未だに、その正しい譜面に対応できず、今までのでたらめな楽譜に頼って、20世紀に生まれた間違いだらけの演奏法を用い、間違った音程、ハーモニー、テンポで、くちゃくちゃな「第九」にしている!! この犯罪者たちめ!!
NHKで振っている指揮者は、もう80を超えて、いまさら自分のやってきた今までの過ちを認めたくないのであろう。今から考えれば、自分のせいか否か(無罪か有罪か)は別として、結果として誤ったベートーヴェン感を長い間観客に植えつけてきたことは紛れもない事実なのだから、その演奏活動を、本来なら詫びて修正し、正しく一新された本当のベートーヴェン像を一刻も早く観客に示し直すのが、プロとしての正しい姿であるはずであるが。
医者でなくて良かった。もし彼が医者だったら、昔の低いレヴェルの医学を今でも後生大事にして、そのために現在の進んだ医学なら助かるはずの患者さんを何人も殺し、法廷に引っ張り出されているでしょう。過失致死か、殺人か・・・・。今だったらどんなにぺいぺいの卒業したての若僧でも直せる病気なのに!
プロならプロらしく、日々進歩している科学を、ちゃんと研究し、取り入れていかなければ失格であり、何も知らない聴衆に誤った音楽を、ベートーヴェンが嘆き、怒り狂うような演奏を与えてはならないのだ!!今日のTVの「第九」のような!
一方の美人女性指揮者も、まったく譜面を読まないまま、悪しき20世紀の慣習の物真似をしている!20世紀の巨匠の間違った慣習だけをCDでお覚えて指揮していちゃ、いつまでたっても本当の意味で大成はしませんよ!なぜ、楽譜を読まないのだろうか。なぜベートーヴェンの意思とは無関係に作曲後百年以上経ってから生まれてきた悪習だけ覚えて指揮しているのだろう!
べートーヴェンが、この曲に対し、何を語っていたのか、どう演奏をしてほしいといっていたのかを、なぜ楽譜から読み取ろうとしないのか。楽譜には今までの悪しき慣習とはまったく反対の内容が、彼自身の言葉で(方法で)何度もくどく書き示されているのに!また、そういった彼の考え方(真意)がわかる当時の書物等をなぜ研究しないのだろか!答えがあちこちに散らばっているのに!! それを知らないままなぜ指揮台に立つことができるのだろうか!世紀の大巨匠をも含めてのことである!
少しでも研究すれば、彼らのやっていることが如何にいかさまであるか、彼ら自身で身にしみて分かるであろう!同じ指揮者として信じられない、この惨めなるペテン的指揮者たちめ!
あ〜、やっと今おぞましい演奏が2つとも終わった。クルト・マズアと西本智実であったが、彼らはたまたま今TVでやっていただけのことで、特別彼らが憎い訳でも、特別彼らが不勉強な犯罪者であると言っているわけでもない。普通の大勢いるあまり勉強をしていない典型的な指揮者の単なる一人に過ぎないのであり、たまたま偶然にも私がその放映を見てしまっただけのことに過ぎない。このブログを読んでくださっている皆様が、このブログ上での私の汚らしい罵り表現に対して、逆に嫌悪感をお持ちになられてしまうであろうことも重々承知の上で、現在書かせてもらっている。申し訳ない!
特にクルト・マズア氏からは、三十数年前、氏が読売日響を振りに来られた時、何度も練習を見学させていただき、勉強させていただいたものである。その氏に向かって悪口雑言の数々とは、私の人間性を疑われてもやむを得まい。しかし、どういう立場であれ、プロとしてやっている以上は、常に常に最良のものを提供していかなければ・・・・。この悪口雑言が、よくあるような単にある人を貶めたくて根拠なく言っているのではないことは、私のブログを読んで下さっている方なら、お分かりいただけると信じられるからこそ書いている(書くことが出来る)のである。
新しい楽譜が出てはや十年。当時の正しい演奏法が世に認知されだして約廿年。しかし残念ながらまだほとんどの指揮者が、彼らのような状態なのである。いつまで天国のベートヴェンを苦しめたら気が済むのだろうか!
私がこのブログで使っている悪口雑言の数々は、実際にベートーヴェンが当時の指揮者や彼にかかわった評論家等々に対して浴びせた罵声の日本語直訳である。当時から彼は自らの曲をでたらめな演奏する指揮者に頭を痛め、そのつど、そうならないようにとの思いをこめ、注意書き等を楽譜に書き込んでいったのである。彼の最晩年に発明されたメトロノームを知ったときの彼の喜びは尋常でなかった。すぐに彼は祈るような思いで、彼の理想とするテンポを書き込み・・・・。そのテンポ表示は、単なる思い付きだけではなく、特に「第九」の4楽章にいたっては、まことに理路整然とし、ありの這い出る隙間もないほど完璧な指定がしてあるにもかかわらず・・・・。
もちろん当時彼を悩ませたひどい演奏といっても、これらの注意書きやメトロノームのテンポ表示等々、すでに本来のベートーヴェンの望みを知っていながら、それらをまったく無視することを誉れとする(それ以外の数々の悲劇的要因も加わって)20世紀になって流行りだした、そして現在までも多くの聴衆や音楽家に間違ったイメージを与えてしまっている犯罪的“ベートーヴェンの真髄”よりは、ズ〜ッとましだったでしょうが。
それですら彼は・・・・・。・・・・なのに・・・。
私のように、この惨状を嘆き、実践の場でどんどん攻撃的(もちろん良い意味で)に責めていく気概を持った指揮者がいたら、いくらでもその場を提供したいと心底思っている。自薦他薦を問わず、積極的に名乗り出ていただきたい。
言いたいことはわかりますが
「犯罪者」だとか「殺人」という表現は
いかがなものなのでしょうか?
コメント by ゲスト — 2010/1/2 土曜日 @ 22:19:58
それ以前に、聴き手の心を動かす演奏ができないようではね。主張ばかり声高で演奏がカスカスでは本末転倒ですよ。
コメント by というより — 2010/1/3 日曜日 @ 1:24:12
1)のコメントに対して
「犯罪者」とか「殺人」という言葉は、確かに表面的に解釈すればきつい言葉ですが、しかし医学界ではもう常識になっているのではないでしょうか。なぜなら新しい正しい治療法が確立されていることが分かっているにもかかわらず、それまでの遅れた、あるいは誤った治療法で患者さんを死に至らしむることを、殺人行為と言わず他になんと言えばよいのでしょうか?ちゃんと勉強した医師に任せれば簡単に直ったものが・・・。患者さん、あるいはご家族の皆さんの立場に立ってみてください。例え死に至らなくてもそれに近い状態にされてしまえば、その医師は彼らにとって犯罪者以外の何者でもないでしょう。だって、自分が新しい治療法をろくに勉強していない事が分かっていながら、あるいはそれすら分かっていないヤブが、患者に結果的には危害を加えてしまっているのですよ。ひどいときには、患者さんをモルモット代わりの実験台にして・・・・・。こういった事態を見逃しては駄目なのです!そう思われませんか?もう、そういうこと事態を知らずに、「先生は最善を尽くしてくださいました。ありがとうございました。」なんてだまされている時代は終わったのです。
オーケストラも同じです。作曲家の意思とは違う誤った音楽を聴きたいと思って聴きにくる人は誰もいないでしょう。実態を知らずに聴かされる聴衆の立場からすれば、いままで本物を聴いてきたつもりだったのが、医師、いや指揮者の怠慢のために誤ったまったく違う音楽を聴かされてきたとすれば、医学界的に言えば一種の犯罪行為を受けたと言えるのです。それによって、音楽の見方を誤ってしまう聴衆も大勢いらっしゃるでしょう。普通の人がちょっとぐらい喧嘩で人を殴ってもいちいち問題にはされないでしょう。しかし空手の有段者が人を殴れば、たとえ軽くではあってもこれは犯罪として取り締まり対象になるのです。プロである以上は、それぐらい厳しく自分の仕事に対処しなければなりません。当然のことです。それとも勉強しない輩を野放しにして、ますます哀れな被害者(聴衆)を作り出していくことを黙認しろとでも言われるのでしょうか。音楽に携わるものも、プロである以上医者と同じぐらいの覚悟を持って仕事をしなければならないと言う私の主張です。
コメント by tnc — 2010/1/3 日曜日 @ 15:31:53
2)のコメントに対して
まったくその通りだと思います。今度9日の定期を聴きにきてください。すべてピリオド奏法です。ウィンナワルツも今のウィーンフィルがヴィブラートいっぱいでJ.シュトラウスをはじめて取り上げるまでは、ノンヴィブで、本当の3拍子のリズム感たっぷりで演奏されていました。
4月9日の20周年記念定期の「第九」を聴きにきてください。衝撃的ですよ!ベートーヴェンがおそらく泣いて喜んでくれるでしょう。なんで20世紀中にこういう自分が楽譜に書いたことをやってくれなかったのだろうか?なんであえて逆のことをやっていたのかってネ!
こういう言葉でのやり取りは誤解の基です。まずは聴いてくださいね。なぜ私が年末のTVでの「第九」をあそこまでこっぴどく言ったかを、よ〜く分かってもらえるはずですので。
コメント by tnc — 2010/1/3 日曜日 @ 15:42:30
2)のコメントに対して、続きです
書き忘れていました。このコメントにはスカスカではとありました。これは一般的に初歩的なピリオド奏法における時限の低い音色による演奏のことに対して皮肉って言う表現です。まだそういう団体も一部にはあるみたいですね。でもこの奏法は現代の奏者にとって大変難しいものなんですよ。果敢にチャレンジしている人たちをもう少し温かい目で見守ってあげてくださいね。進化の一過程なのですから。そういった点にまったく目もくれず、何でもかんでもイージーにヴィブラート掛けまくって綺麗な音だと思っている前世紀の遺物的な団体よりは一歩前を行っているのです。少なくてもスカスカといわれる音の方が、ロマン派までの作曲家は、「そう、その音に近い」って言うでしょう。なぜならそれに近い音を彼らは聴いて、イメージをもらい作曲していたのですから。当時、ヴィブラートいっぱいの今のような音色は彼らの周りにはなかったのですから。
でもできたらスカスカではなく、そこに音楽の加わったヴィブラートに頼らなくても良い表現に速く皆さんが慣れてくださるといいですね。
ただ、私のブログで書いたことは、奏法のこともありますけど、それはごく一部です。まず「第九」だけで、目立つ音程の違いが数箇所。おそらく私のブログを読んでくれているどなたもご存じないベートーヴェンの叫びです。テンポの大きな誤り、も数箇所。楽譜には当初から正しく書いてあるにもかかわらず、百年前ぐらいからそれを(ベートーヴェンという作曲家自体を)無視することに指揮者としての大義だと感じるような風潮が出来上がり、それがおろかな大巨匠から大巨匠へと、ヴィールスの伝播のごとくおろかにも・・・。そして誤った旋律やテンポが「第九」の真髄だと思い込み、そこに十把ひとからげのヴィブラートが加わり、音色も・・・・あ〜おぞましい!
スミマセンが、私が自分のブログだとはいえ、ここまで書くには、どれもそれなりの根拠があってのことです。傲慢に思われるかもしれませんが、おそらくどなたも覆すことは無理でしょう。申し訳ございませんが、それなりの勉強をなさっていらっしゃらない方の、このコメントに対する意見めいた書き込みは削除させていただきますのでよろしくお願いいたします。
ただもちろん前向きな姿勢で、一つ一つ今までの演奏に対する誤りに対して勉強していくことをお望みの方でしたら、いつでもお相手させていただきます。その中のたとえひとつでも、私の知らない、あるいは私の過ちを指摘してくださる貴重なご意見がございましたら、この上ない喜びです。私とまったく面識のない方でも結構ですので、どうぞご自分をあかされてからのお書き込みをお願いいたします。
まったくの素人の方でも結構です。ただ前向きの姿勢さえ持ち合わせておられる方でしたら。
コメント by tnc — 2010/1/3 日曜日 @ 18:08:06
[…] First Tweet: 1 hour ago bakucla BakuCla 指揮者の内藤彰さんが第九の件で怒ってる。(> <) 興味深い記事でした。http://www.naito-akira.com/archives/136 retweet […]
ピンバック by Twitter Trackbacks for 内藤彰オフィシャルブログ あ〜悲劇!大晦日のNHKと、たまたま同時放送の民間TVの「第九」。この犯罪行為はいつまで続くのか!! [naito-akira.com] on Topsy.com — 2010/1/3 日曜日 @ 18:47:28
某女性指揮者の掲示板でこの記事を知り、来させて頂きました。
悪口雑言と言うより、根拠もあり、正直にお感じになられた
ことかと思います。時に人は、その悪口雑言を、文句、まさに
悪口と思う人もあるかもしれませんが、内藤さんのおっしゃる
ことは、まさに、その通りだと思いました。原因と結果、その
過程まで、根拠あるお考えかと。とても説得力のあるものと。
某女性指揮者のファンの掲示板でも、犯罪者、なんとかかんとかと平然と人に言う人達も見受けました。
内藤さんのお話は、それとは完全に根拠が違い、表現的には、きついかもしれませんが、内藤さんが何を言おうとしているのかは、非常に伝わって来るものがありました。コメントが、大変抽象的になり申し訳ありません。内籐さんの音楽への愛情が感じられる記事だったと思います。日本武道館での第九がどのように演奏されるのかが、楽しみでもあり、また、内藤さんのおっしゃら
れることが浮き彫りになるのかと、多少の心配も・・・
コメント by 威風堂々 — 2010/1/3 日曜日 @ 20:44:02