2010年1月3日15時42分
大リーグ・マリナーズのイチロー選手(36)
■大リーグ新記録 9年連続200安打
108年ぶりに更新された大リーグ新記録は、「走りながら打つ」と恐れられるこの人らしい一打で生まれた。
2009年9月13日、アーリントンでのレンジャーズ戦。2回の第2打席だった。ボテボテの打球は、遊ゴロでアウトかと思われたが、一瞬でトップギアに入る走力で内野安打とした。これで、前人未到の「9年連続のシーズン200安打」を達成。ウィリー・キーラーの8年連続(1894〜1901)を塗り替えた。
01年の大リーグ1年目から毎年200安打を打ち続けたことで、到達出来る重みのある記録だ。試合後の会見で、こう語った。「解放されましたね。人との戦い、争いに一応終わりを迎えることが出来た。解放されたことが僕にとってうれしい」
昨季は次々と記録を打ち立てた。4月16日に張本勲氏が持つ通算最多安打のプロ野球記録3085本を日米通算で更新、9月6日に1900年以降では大リーグ史上2番目の早さで米通算2千安打を達成。しかし、決して順調なシーズンだったわけではない。
春先のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表の2連覇に貢献したが、激戦の影響か、開幕直前に胃潰瘍(かいよう)が発覚。初の故障者リスト(DL)入りし、開幕から8試合を欠場した。8月下旬に左ふくらはぎを痛めて8試合休むなど、ケガとの闘いの1年でもあった。
年間200安打は、毎年の目標だ。コツコツと積み上げる先に、次は大リーグ最多「通算10度」の200安打以上をマークしたピート・ローズ氏の記録が待つ。
<スーパーアスリート賞> 2005年度以降の受賞が通算3度目以上になる場合、その選手の功績を永久顕彰する意味合いで贈られる。08年度までに女子マラソンの高橋尚子さんと女子柔道の谷亮子選手、男子競泳の北島康介選手が受賞した。