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小泉総理の演説・記者会見等
 

年頭所感

 新年明けましておめでとうございます。

 私は、就任以来、「改革なくして成長なし」という基本方針のもと、構造改革に取り組んでまいりました。これからの小泉内閣の責務は、見えてきた改革の「芽」を「大きな木」に育てていくことだと考えます。多くの国民の皆様の信任を厳粛に受け止め、断固たる決意で改革を進めてまいります。

 構造改革の実現に向け、平成16年度予算には、持続可能な社会保障制度や、補助金、地方交付税、税源移譲の「三位一体の改革」などの具体案を盛り込みました。道路四公団の平成17年度からの民営化や郵政事業の民営化に向けた具体案作りも、着実に進めてまいります。

 改革は着実に進んでいます。雇用情勢は厳しい状況が続いていますが、経済成長率は1年6ヶ月連続して実質プラスになり、企業収益や設備投資も改善しています。この明るい兆しを中小企業や地方経済にまで広げていかなければなりません。金融、税制、規制、歳出の改革を加速し、民間の活力と地方のやる気を引き出してデフレ克服と経済の活性化を実現してまいります。

 外交政策では、国際協調と日米同盟を重視し、我が国の国益を追求する外交・安全保障政策を進めてまいりました。日本国憲法の前文は、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」と高らかにうたっています。イラクの治安情勢が厳しいことは十分認識しておりますが、国際社会の責任ある一員として、イラクの人道復興支援のため、資金的な支援のみならず、安全に十分配慮しながら自衛隊を含めた人的支援を進めてまいります。

 日本の歴史には、様々な苦難のときがありましたが、我々の先輩は、勇気と希望を持って新しい時代を切り拓いてまいりました。悲観論からは新しい挑戦は生まれません。構造改革の種をまき、ようやく芽が出てきた今こそ、日本の潜在力と可能性を信じて改革を進め、明るい未来を築いていかなければなりません。

 国民の皆様の一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆様一人ひとりにとって実り多い素晴らしい一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

平成16年1月1日

内閣総理大臣 小泉 純一郎