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ハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」の国内全71店舗が12月31日で、最後の営業を終えた。1980年に日本1号店が東京・銀座7丁目にオープンして29年。親会社の外食大手ゼンショーが米国本部とのフランチャイズ契約を更新しないことが決まり、完全撤退となった。最終日は長蛇の列ができる店もあり、大阪・梅田店では閉店の際、従業員らが整列し「ありがとうございました!」と最後の客を見送った。
大阪・北区の梅田店では午後8時に閉店。最後の客となった茨木市の自営業の男性(33)は「常連です。中学生のころから親しんできた味。あんバーガーなど面白いメニューも多かったし、マニュアル一辺倒でないアットホームな雰囲気が好きだった。もう、ファストフードは食べません」と言い切り、手にはテークアウトしたチリソース。従業員に見送られ、店との最後の別れを惜しんでいた。
東京・新宿店は昼時には店外に約60人の行列ができ、50分待ちになったほどの盛況ぶり。売り切れ商品も続出した。
多くのハンバーガーチェーンの中でもボリュームと、ジューシーな肉の鮮度がセールスポイントだった。オーストラリア産の牛肉を冷凍せずにチルドで店に届けるシステム。新宿店の30歳のアルバイト男性は「他社のハンバーガーは作り置きが多いですが、注文を受けてから焼きたてをすぐお客さまに出すようにしていました」と人気の理由を話した。
親会社のゼンショーは牛丼チェーンの「すき屋」「なか卯」や「COCO’S」などのファミリーレストラン、ラーメン店、焼き肉店、回転寿司店など全国4200店舗を持つ外食大手。ウェンディーズは黒字だったが、外食デフレの影響は否めず、米国本部との契約満了に伴い撤退となった。撤退発表後の売り上げは各店舗で少なくとも2倍は伸びたという。
2009年のウェンディーズのアルバイト従業員は約1900人で、正社員は約60人いた。正社員は、ゼンショーが主事業として重点を置く「すき屋」などに異動することになる。
(2010年1月1日10時00分 スポーツ報知)