超人だミノワマン初Ｖ　左フックＫＯ…Ｄｙｎａｍｉｔｅ！！

左フックでソクジュを倒したミノワマン（左）

　◆Ｄｙｎａｍｉｔｅ！！▼スーパーハルクトーナメント決勝５分３Ｒ　○ミノワマン（３回３分２９秒　ＫＯ）ソクジュ●（３１日・さいたまスーパーアリーナ）　本人も予想していなかった幕切れだ。３回、両者ともに手が出せない状態に観客からブーイングが上がる中、ロープ際に追い込んだミノワマンが右フックを繰り出し空振りすると、即座に左フック。鼻っ柱にパンチを食らったソクジュはリングに崩れ落ちた。

　圧巻のＫＯ劇。顔面にいくつもあざを作った超人は「ＫＯは狙ってなかった。足の関節技で早い時間で決めたいと思っていた」と、やや戸惑い気味に振り返った。

　身体能力で勝るソクジュのパウンドを顔面に何十発も食らい、１、２回は防戦だった。派手さに欠ける試合展開に観客の空気はリングにも伝わったが「ブーイングは歯がゆかった。でも、それは互いに勝つことしか考えていなかったからだ」と自分の間合いを優先。必殺の一撃は勝負に徹した成果だった。

　ついに念願の「超人」になった。１０月の準決勝で２１８センチの巨体を持つチェ・ホンマン（２８）＝韓国＝を下した。勝ち上がってきた様を見れば、その名にふさわしいはずだが、本人は意外なほど冷静。「これ（優勝）が『超人』というゴールではない」と報道陣をいさめた。「みんなの思う『超人』という暗闇の中に足を踏み入れたにすぎない」と独特の言い回しで夢の途中であることを示した。

　日本ＶＳカメルーンというサッカーＷ杯の“前哨戦”を制し、ミノワマンは「カメルーン人はバネも体力もあるが、日本人は島国（の国民）として『負けない』という気持ちを持つべき」とまじめに総括。サッカー日本代表にエールを送った。