1979年に発行された「ムー」創刊号の表紙=学研パブリッシング提供
「逆説的ですが、こういう雑誌を楽しむには常識がないとダメ。日本人が常識を身につける年齢が上がってきたのかもしれません」(土屋さん)
ライバル誌が消えていく中で生き残れたのは、つかず離れずという距離感の取り方が適切だったからともいえる。
息の長い支持を受ける理由について、唐沢さんはこうみる。「社会に居場所が見つからず、アイデンティティーが確立できない若者の受け皿になってきた。未来に希望が持てない社会が続く限り、オカルトは現実に対するアンチテーゼとして機能する。その老舗(しにせ)として『ムー』が存続するのは当然かもしれません」
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「ムー」に掲載された主な内容
■創刊号(1979年11月創刊号)
・総力特集 異星人は敵か、味方か?
・UFOから来た少年ムー
・超常現象の世界
・人類最後のロマン 地底世界伝説
・ブラック・ホールは4次元世界への抜け穴か?
■創刊10周年(89年11月号=20万部時代)
・総力特集 月は巨大な人工天体だった!?
・ユリ・ゲラー in JAPAN
・魂の真実を明かす驚異の前世占い
・世界の聖者は日本で死んでいた
・地球のミステリー・ゾーン
■創刊30周年記念特大号(2009年11月号)
・総力特集 最新 大ピラミッド・ミステリー
・「ムー」30年史
・オカルト超常現象30年史
・北斗七星本命星供の秘法
・保存版 UFO全仮説!!