小沢一郎民主党幹事長の関連政治団体「改革フォーラム21」の口座に二〇〇四年十月、同団体の政治資金収支報告書には記載のない総額約十五億円が現金で入金されていたことが、関係者への取材で分かった。資金は数カ月の間にすべて現金で出金されていた。東京地検特捜部は、巨額資金の原資や出金先などについて解明を進めている。
関係者によると、フォーラム21の担当者は〇四年十月、銀行口座を新たに開設。億単位の資金が同月中にそれまであった口座や新規口座に分散して現金で入金された。しかし、口座に入った計約十五億円は、その後の数カ月間に複数回に分けて現金で出金されたという。
入金直後の同年十一月一日には紙幣のデザイン変更があり、一万円札は角度によって見える像が変わるホログラムが新たに採用された。特捜部は、いずれかに現金で保管されていた資金を新札に切り替えるためにいったん口座に入金した可能性もあるとみている。
フォーラム21は一九九二年、当時自民党議員だった小沢氏の所属する派閥の政治団体として設立された。小沢氏が自民党を離党後も存続し、〇七年以降は小沢氏の側近だった元参院議員が会計責任者を務めている。
フォーラム21の収支報告書によると、設立当初は企業献金などで数千万円単位の収入があった。九八年以降は毎年七億円前後を翌年に繰り越しているが、年間の収支が一千万円を超えた年はほとんどない。
計約十五億円の資金の出入りがあったとされる〇四年分の収入は百二十二円で、支出も十二万八千八百七十七円だった。
フォーラム21と小沢氏の事務所は、本紙の取材申し込みに対し、三十一日時点で回答をしていない。
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