飲酒運転なくせ 企業へ出前講習

ASK認定インストラクター 県内5人、地域指導も

2009年12月30日 09時52分
(85時間34分前に更新)

 年末年始は飲酒の機会が増えるが、特定非営利活動法人(NPO法人)「ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)」が始めた飲酒習慣の見直しを進めるプロジェクトが注目を集めている。ASKから認定を受けた飲酒運転防止インストラクターが、アルコールについての正しい知識を広めるため、県内各地の企業や地域で講習を始めた。受講者からは「職場で飲酒に対する考え方が変わった」など、効果を指摘する声が上がっている。(湧田ちひろ)

 飲酒運転防止インストラクター養成講座は、道路交通法の改正などで飲酒運転の厳罰化が進んでいるにもかかわらず、悲惨な事故が後を絶たないことから、ASKが2008年から開始。県内ではこれまでに5人が認定された。

 講座では酒の基礎知識を学ぶほか、全国各地で開かれているスクーリングを受講、現場実践研修後に認定を受ける。ASKの山村陽一飲酒運転対策特別委員長によると、ビール500ミリリットルを1単位とし、肝臓の消化にかかる時間が1単位当たり約4時間かかるという。

 第1期インストラクターで応用心理カウンセラーの大田房子さん(52)=豊見城市=は、これまでに13回ほど企業や地域で講習会を開いたという。自身が飲酒運転事故を起こした経験のある夫と断酒会で活動し、アルコール依存症の家族らの相談にのるうち、飲酒問題を広く知ってもらいたいと考え、資格を取ったという。

 受講者からは「『きょうは2単位飲んだのでこれでやめよう』と話すなど、職場での飲み会の環境や反応が変わった」との感想が寄せられたという。

 11月末に県警本部で開かれたスクーリングでは、2日間で県内の会社員や飲酒運転事故の被害者ら41人が参加した。山村委員長は「飲酒習慣は組織や地域、周囲の人との付き合い方にも強く影響されている。飲酒運転を防ぐため、インストラクターからアルコールについての知識を教えてもらい、飲酒習慣の具体的な改善方法を知ることが大切」と話した。


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