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【映画ジャーナリスト・大高宏雄インタビュー】"ゼロ年代映画"ベスト作品はどれ? 邦画活況がもたらした10年を検証

2009年12月31日22時06分 / 提供:日刊サイゾー

日刊サイゾー

──便宜上5作品を選んでもらいましたが、その他にも注目するべき作品は多いかと思います。

大高 次点としては、高橋洋監督の『ソドムの市』(04) を挙げたいですね。サブカルという言葉はすでに死語でしょうが、この作品はサブカルのその先を行ってしまったような作品。というより、そうした言い回しさえ、超えてしまっているような別次元の作品ですよ。まあ、何とも表現のしようがありません。批評がほとんどなかったのは、この作品が批評そのものを拒否しているからでしょうね。大好きな作品です。

 ドキュメンタリーから1本挙げるなら、中村高寛監督の『ヨコハマメリー』(06)。『ヨコハマメリー』といい、09年に公開された松江哲明監督の『あんにょん由美香』といい、問題提議的なこれまでのドキュメンタリーとは違う新しい流れが生まれている。何らかの問題意識を訴えることよりも、被写体をカメラが素直に追っていく過程にいくつかの仕掛けを施しながら、最後には「えっ?」と驚く展開を用意し、とにかく見ていて固苦しくなく、面白ささえ感じさせてしまう。ドキュメンタリーの作り方がゼロ年代に入って大きく変わっていることを痛感します。

 また、ゼロ年代の後半から『ゆれる』(06)の西川美和監督、『ウルトラミラクルラブストーリー』(09)の横浜聡子監督ら女性監督が注目される存在になってきた。荻上直子監督の『かもめ食堂』(06)も、すごくゼロ年代的な作品。もう"女性"監督と呼ぶこと自体はばかられるわけですが、彼女たちが今後新しい流れをどう作るのか期待したいところです。

──今回挙げられたインディペンデント系の監督たちの中から、メジャーシーンに風穴を開けるような人物は出てくるでしょうか?

大高 時代劇『十三人の刺客』が公開待機中の三池監督は、90年代はVシネで娯楽作品を量産し、2000年代に入って、その技量を一段と開花させ、今はメジャーシーンでの新しい段階に移行しつつあるところでしょう。でも、先に挙げた映画監督たちは基本的にそういった方面での野心を持っていないように感じますね。実際に、そうなのかはわかりませんが。メジャー指向を感じさせないのは、日本の映画監督たちのナイーブさと関係あるかもしれません。ちょっと物足りないとろでもありますけどね。『母なる証明』(09)を撮った韓国のポン・ジュノ監督などとは違いますね。

 『トウキョウソナタ』(08)を撮った黒沢監督も、今すぐメジャーで映画を撮ることを望んでいるようには見えない。でも、黒沢監督は東宝配給で『スウィートホーム』(89)というエンターテイメント作品を過去に撮っています。また違った形でメジャー映画を撮ってみても面白いはず。

 万田監督は東映配給で『ありがとう』(06)を撮っていますが、こうした大作にもさらに挑戦してほしいですね。この作品は、阪神大震災を再現したシーンにお金が掛かり、製作費の回収が難しかったと聞きます。万田監督を起用したのは、仙頭武則氏ですが、本作の収支が厳しかったのか、今は製作ができる状態ではない。98年に松竹を解任された奥山和由氏もそうですが、監督と協調し合って映画製作できるプロデューサーの存在は重要。実力のある監督たちを単館系の中に押し込めるのではなく、うまくメジャーの中で活かすプロデューサーが必要です。そうでないと、今のようにテレビ局主導で、テレビディレクターが監督まで手掛ける映画ばかりになってしまいます。

 キャリアの充実期にある監督たちがプロデューサーと企画やキャスティングを一緒に練りながら、ある程度予算の組まれた映画を作っていくことが2010年以降は求められるでしょうし、そうなって欲しいと思いますね。
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