県警がまとめた2009年の県内の交通事故による死者は52人(31日午後9時現在)で、現在の形で統計を取り始めてから最も少なかった1953年の56人を下回り、56年ぶりに年間の最少記録を塗り替える可能性が高まった。08年の77人と比べると25人の大幅減少。ただ、全死者のうち65歳以上の高齢者が約7割に達しており、高齢者事故の抑止対策が課題となっている。
県警は死者の減少について「県をはじめ関係機関、団体による『一事業所一交通安全スローガン運動』『一高等学校一交通安全スローガン運動』などの取り組みに加え、老人クラブの活発な街頭活動が、県民の交通安全意識の高揚につながったのでは」と分析。
一方で「50人以上もの尊い命が失われた。(事故発生から24時間以上たって死亡したため)統計に含まれない死者もいる。悲劇を繰り返さないよう、死亡事故ゼロを目指す」として、取り締まりや高齢者対策に力を入れる。
県警によると現在の形で統計を取り始めた1952年以降、死者が50人台に抑えられたのは53年(56人)と07年(59人)の2度だけだった。
09年の死者は、上半期(1~6月)が12人で、08年同期に比べ27人減った。しかし、下半期は08年と同ペースで▼7月 8人▼8月 8人▼9月 3人▼10月 8人▼11月 5人▼12月 8人―と推移した。
全死者52人のうち、高齢者は約7割の36人。県老人クラブ連合会(会員約12万人)は7月末、「高齢者交通死亡事故非常事態宣言」を初めて出し、街頭活動などを続けてきた。県警は、今後も老人クラブなどと連携しながら啓発を強化する考え。
<ポイント>
県内の交通事故死者 県警は事故発生から24時間以内に死亡した人を死者としてまとめている。車社会の到来で60年以降、100人を超え、72年は212人に上った。98年からは100人を下回っており、09年で12年連続。
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