ワシントン(CNN) イラクの首都バグダッドの広場で2007年9月、当時の米民間軍事会社ブラックウオーターの要員が市民らに銃を乱射、17人を殺害、数十人を負傷させた事件で、ワシントンの連邦地裁は12月31日、同社の元警備員5人に対する計画性のない殺人の罪による訴追を退ける判断を示した。
検察側が訴追に使った5人の証言の入手方法に対する疑義を表明。仕事のはく奪を威嚇するような方法で証言を引き出していたなどの不法性に言及し、訴追は無効とした。司法省が控訴するのかどうかは不明。
事件で、5人は米外交官の車列を警備中に発砲を受け応戦したと主張していたが、その後の調べで撃たれた事実はないことが判明していた。司法省は08年12月、米軍出身者の5人を殺人罪などで起訴した。6人目の被告は同年、有罪を認めていた。
事件はイラク国民の反米感情を大きく煽り、同国政府はブラックウオーター社の業務活動を制限。米国務省はその後、同社との警備業務契約を打ち切っていた。
同社は事件後、社名をXeに変更していた。