【コラム】「経済韓日戦」勝負はこれからだ(下)

 国内企業のこうした躍進を受け、韓国は今年1月から11月までに貿易黒字377億ドル(約3兆4556億円)を上げ、日本の240億ドル(約2兆2000億円)を大きく上回った。韓国の年間貿易黒字額が日本を上回るのも、今年が初めてだ。「日本に追い付け」という韓国経済の長年の夢が実現しつつあるかのように見える。おとといにはアラブ首長国連邦(UAE)から、韓国型原子力発電所が初めて輸出契約に成功したという朗報が飛び込んできた。今年は、韓国経済史上初・最高という記録を数多く出した年として後世に残るだろう。

 だが、韓国経済や企業が今年1年間、健闘したのには、実力以外の要因も働いていた。第一に、ウォン安円高による為替効果が大きかった。日本企業が先進国の高価格製品市場に力を入れている間、韓国企業は早くから新興国市場に参入し、基盤を築いてきたのが功を奏した。世界的な金融危機で先進国市場が大幅に縮小し、中国・インド・ブラジルといった新興国市場の比重が高くなったおかげだ。

 2010年には状況が一変する。ウォン高傾向が続いており、これ以上の為替効果は期待できない。さらに今年、日本企業は構造改革を行い、来年から本格的に新興市場国の中産層を中心とする「ボリュームゾーン」攻略に乗り出すものとみられる。主力産業がほぼ重なる韓国と日本が、その実力を本格的に競うことになるのだ。部品素材産業の育成や源泉技術の確保、ブランドイメージなどではまだ力が足りない韓国としては、非常に厳しい闘いになるだろう。しかし、日本との真っ向勝負を先送りし、あるいは避けて通ることはできなさそうだ。

 これまでの「経済韓日戦」は予告編にすぎなかった。本当の勝負はこれからだ。ここで負ければ一巻の終わりという背水の陣を敷き、新年を迎えなければならない。

金基天(キム・ギチョン)論説委員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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