きょうのコラム「時鐘」 2009年12月31日

 多事多難の2009年もきょう限り。「もろともに激しと思う浮き沈み行き詰まる世を問うて厳しく」と、百人一首に習って行く年をしのぶ

「遠き道とは言わず第一歩核なき世界へ実りめざさむ」。核抑止へ時代転換を訴えたオバマ米大統領にノーベル平和賞。その地球では環境問題に頭を悩まし「COP15明日への責任語れどもエゴに押されし決議悲しき」

日本では民主党の圧勝で歴史的な政権交代したものの公約と現実のギャップがあらわになった。新年度予算案は92・3兆円だが「92は苦痛に通ずと読み取って国会論議へ野党手ぐすね」の雲行きである。さらに鳩山首相は政治資金問題で「わびぬれど疑惑の雲の晴れやらで人目も声も寒々の年」に

北陸でも不況の痛手深くデフレの危惧も強いが、特徴ある地域づくりへの努力が続く。「住むからは誇り豊かにそれぞれの夢を育てるふるさとたくまし」。松井選手の活躍にも学びたい。オタマジャクシが降る珍事もあって「誰しもがなぜなぜと首ひねる話の種の尽きぬ年越し」だ

人の世にも地球にも転換の時を告げて課題山積。来る年を良き年に。