自民党の吉村剛太郎参院議員(70)=福岡選挙区=は30日、福岡市内で記者会見し、党本部に同日付で離党届を提出したことを明らかにした。改選を迎える来年夏の同選挙区(改選数2)に無所属で立候補する意向も表明。同党は県連の申請を受けて新人の大家敏志県議(42)を公認済みで、保守分裂選挙の見通しとなった。党本部は党紀委員会を開いて離党届の取り扱いを決める方針。
吉村氏は離党の理由について、県連の候補者選考に触れながら「一部の人たちの根回しで決まった。県連や党本部の体質では良識ある保守層の共感は呼べない。けじめをつけたい」と説明。立候補は「無所属でいきたい」と述べた。他党への入党や連携の可能性について「(打診があれば)聞く耳は持っている」と含みを持たせた。
吉村氏は1992年に初当選し3期目。国土交通副大臣などを務めた。党公認での4選立候補に意欲を示していたが、党本部は24日、大家氏の公認を決定。対応が注目されていた。
福岡選挙区ではほかに、民主党県連が現職大久保勉氏(48)の公認を申請し、加えて社民党との統一候補擁立も目指している。共産党は新人篠田清氏(61)の公認を決め、公明党も擁立を模索するなど混戦となる可能性が強まっている。
=2009/12/31付 西日本新聞朝刊=