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増える鉄道自殺 運休・遅れ原因の45%に(1/2ページ)

2009年12月30日17時23分

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 年の瀬、毎日のようにどこかで電車が止まる。理由の多くが自殺だ。たった2時間余りで4件が相次いだ日もあった。国土交通省によると、首都圏1都3県で昨年度に起きた「輸送障害」679件のうち、自殺は307件で45%を占めた。その割合は、年々増えている。

 国土交通省は今月21日、首都圏の鉄道12事業者と列車の運休や30分以上の遅れにつながった「輸送障害」についての会議を開き、自殺対策などを話し合った。

 国交省によると、首都圏の鉄道で起きた自殺は2004年度以降増加を続けており、08年度は307件。JR東日本管内では09年度も11月末現在で170件起き、近年では過去最多だった昨年度の同期とほぼ同じペースになっている。

 鉄道各社は、接触事故対策として転落防止さくの設置を進めるが、自殺には有効な対策を見いだせていない。「お客さまのプライバシーにかかわるので『人身事故』の詳細は社内でもデータとして残さない」と話す鉄道会社の幹部もいる。

 全国の私鉄72社が加盟し、各種調査を行っている「日本民営鉄道協会」の担当者も「非常にナイーブな課題。協会として取り組まなければと思いながら、何もできていないのが現状」と語る。

 JR東日本は今秋、山手線全29駅のホームに青色LED(発光ダイオード)照明を設置した。人の心を落ち着かせるとされる青色で、飛び込み自殺を防ぐ狙いだ。

 山手線での飛び込み自殺は青色LED照明の設置以降、微減しているというが、科学的効果については、専門家の間で意見が分かれているという。

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