プレ・ツールド・南伊豆2009(うっ憤爆発の巻き)

 

奈良 岩 元  健

○ プロローグ

この大会は、平成21年11月7日(土)に静岡県南伊豆町一帯で開催された正式な大会です。大会実行委員長の森本均氏(以下「森本氏」という。)とエンゾ・早川氏(以下「エンゾ氏」という。)とは初対面であり何の恨み辛みは一切ありません。そのことを先にお断りを申し上げ、この大会は森本氏のHP誇大広告キャッチコピーとは余りにかけ離れた酷い大会であった事実を公表します。公表を決意したのは、来年この大会に参加を希望している方に、本当の事実を伝えて参加の是非を問いたいと思ったからです。

私は、森本氏のHP「エンゾ早川のロードバイク講習.com」で「ロードバイクで村興しをして、2010年に町民による自転車乗りのためにイベントを開催し、10年後に伊豆半島を世界のアマチュアロードレースのメッカにする。」「エンゾ・早川と森幸春師匠が参加。」いう壮大なプロジェクトの基に開催されると知り、エンゾ氏や森師匠からアドバイスをして貰え、更に、媚を売ってエンゾ氏から自転車の製作を取りつけることが出来ればラッキーという希望を持ってこの大会に参加しました。しかし、この大会の現実はHP誇大広告キャッチコピーと違う「看板に偽りありの大会」である事実が判明して愕然としました。

 

今大会は、プレ大会として全国から参加者を募っていたのに、初参加(初心者)はたった二名だけでした。他の参加者は、全てエンゾ・ファミリーだけで固めており、「正式記録・参加賞・完走証」の全てがゼロという惨憺たる大会でした。通常マラソンのプレ大会は、第1回大会に移行する場合が多く、運営は本大会に準じてしっかりした行事日程で運営されるので、それと同じと甘い考えでエントリーしました。しかし、大会とは名ばかりで、実際は単なる「草レース」で、エンゾ・ファミリーの練習会(ジィロ・ディ・箱根の自慢会)であったのです。

 

私と同室の相澤氏(実名記載OK)は、遠方から大金を投じて参加したのに、この事実を事前に知らされることなく参加させられたので騙されたと同じことです。

この程度のレベルの大会で参加を募るのであれば、必ずHPの冒頭で「練習会」とか「草レース」と先に公表して募集すべです。この現実を知っていたなら、私は絶対に参加していませんでした。

そして、エンゾ氏が相澤氏に対し発言した暴言の数々は、余りに酷く醜いだけで気分が悪くなりました。来年第1回大会を開催するとのことですが、今回のような初対面(初参加者)に対する気配りや配慮を変えない限り、この大会は必ず失敗してエンゾ氏が唱える「幸福な自転車乗り」とは逆の「不幸な自転車乗り」を増加させることになるでしょう。

ここに、大会実行委員長の森本氏とエンゾ氏に猛省を促し、暴言の取り消し(謝罪)と大会のHPキャッチコピーの訂正、運営方法の改善等を早急にして頂くために、あえて苦言を呈することにしました。

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○ 大会にエントリーした経緯

私は、今回大会を知ったのは、「まちがいだらけの自転車えらび」という本が切っ掛けでした。自動車雑誌誌のベストセラーをパクッた表題で、その著者ってどんな人間か興味が湧き買って読みました。著者は「エンゾ・早川」で、大手出版社をこけおろし、更に、大手自転車メーカーのシマノをボロクソにぶった切った、その切り口は鮮やかで、違った意味での新鮮味が感じられました。

関西では、馴染みのない著者であったのでネット検索すると、この森本氏のHP「エンゾ早川のロードバイク講習com」が現れました。森本氏はエンゾ氏の崇拝者で美味しそうなイベントが盛り沢山掲載してあり、エンゾ氏を絶賛し褒め称える内容ばかりでした。

 

そのHPに、エンゾ氏と森幸春師匠が参加する中級以上の「ツールド・南伊豆120km」の参加者募集イベントがありました。そこで、早速問い合わせすると、まだ定員に達してなく即決でOKの返事を貰いました。「私は、ツーキニストで毎日往復平地約50km10年前のクロモリロードバイクで走っています。100km以上走行は経験ありませんが参加できますか。」と問い合わせすると、エントリーの条件として

(1)   参加者20名限定。(先着順)

(2)   参加料30,000,前泊素泊まり5,000円。(相部屋)

(3)   エンゾ・早川の著書全9冊を全部読むこと。

(特に、@ラクダこぶ・・ A間違いだらけ・・ Bロードバイク初級、中級テクニック・・ Cロードバイクドリル・・)

(4)   全国の自転車乗りが参加するので、名刺持参して交換し親睦を深める。

(5)   心拍計の携行。(ケイデンス計は不要)

(6)   ビンディングペダル仕様。

(7)   エントリー内容。(身上関係22項目)、バイクの仕様の詳細(21項目)

(8)   要望コメント。

エントリーした理由や自分の実力などを詳細に記載すること。

 

という厳しい注文が課せられました。当然、エンゾ氏はカリスマ自転車乗りなので、この大会は人気沸騰して直ぐに定員をオーバーすると思いました。

この、厳しい事前審査を通過すためには、それなりの厳しいトレーニングや読書に励まないと20名の狭き枠を通過出来ないと信じて、注文された本は全て購入(10\11,154円)して読破して他の項目はほぼクリアしました。しかし、不安は峠越えと完走が不可能という点でした。そこで、事前にコースの下見をすることにしました。

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○ 事前のコースの下見の話

森本氏のHPでは、最初コースは時計回りの120kmで、石廊崎経由で松崎町から仁科峠(標高906m)、船原峠(標高574m)、天城峠(標高638)、総標高差(2720m)となっていました。地図で検索すると、難所は仁科峠の登りの約10kmと判断し、ここを試走して自信を付けて大会に臨もうと1017日に車にバイクを積んでコースを逆コースで辿ることにしました。しかし、R136号の船原峠の分岐点で迷い、土肥温泉に降りてしまいました。次に迷ったのは、仁科峠から松崎町に下る左折の分岐点で、深層水「健」の看板のある道路は極端に狭く、メインロードを下って誤って宇久港に出てしまいました。松崎港から辿ってオートキヤンプ場から仁科峠までの約12kmの登りをバイクで走り、約50分で登れたことから「取りあえず本番では、ここまでは何とか登れる。」と自信が持てました。

 

事前に森本ロッジを訪ねることにしました。私は、森本氏はHPの内容から弓ヶ浜では当然有名人で誰でも知っていると信じて行きました。しかし、そのロッジがどうしても分らず休暇村バス停前にある生鮮魚介店「青木サザエ店」で「ロッジ経営の森本という自転車乗りを知りませんか。」と尋ねました。すると「そんなロッジやそのような人は知らんな。」と攣れない返事でしたので、更に、ホテル数軒に聞いて回りましたがやはり同じ返事でした。

その夜、森本氏に電話をかけました。すると「明日の早朝海に釣り出かけるので早い時間来て下さい。」と言われたので、翌朝午前6時に「みなと湯」から誘導されロッジに辿り着きました。そこは、前日何度もその前を通過したロッジでしたが屋号が「弓ヶ浜シーサイドガーデン」で、森本氏のHPの「ロッジョーネ」と違っていました。

 

森本氏の第一印象は、小柄で愛想良く好感が持てる人物でしたが、「普段はシャッターを閉めているので、近所の人は誰も知らないでしょう」という返事でした。森本氏は、HPで「社団法人ツールド・南伊豆」を立ち上げて、人口流出に歯止めをかけ村興しのために「ツールド・南伊豆」を2010年に正式開催に漕ぎつける凄いプロジェクトを立ち上げ、各関係官庁や団体に働きかけていると言いました。

森本氏曰く「エンゾさんは大変厳しい人で、後で心拍数やケイデンス数などを具体的に質問されますのでそのつもりで参加して下さい。」と言い、エンゾ氏に対しピリピリと神経を尖らし、絶対服従しているタイプと推察いたしました。

 

帰宅後、森本氏のHPを見て驚きが二倍になりました。大会名がいつの間にか「プレ・ツールド南伊豆2009」と、距離が140kmに変更なっていたのです。更に、びっくりしたのはコースが時計回りの逆で天城峠経由に変更され、森師匠も不参加になっていたのです。大金をはたいて下見で練習した仁科峠越えが無駄に期してしまったのです。(後で森本氏に聞くと「エンゾさんの一言で変更しました」との返事でした。

 

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○ 参加のため事前準備や参加費用が高かった

    今回大会の参加費用は1泊2日(2食付き)相部屋で30,000円、前泊素泊まり5,000円でしたが、マラソンに比べると非常に高いと思いました。

弓ヶ浜の民宿は、大人一泊二日(2食付き)6,825円で温泉付きでも特別料理なしであれば10,000円以内に収まり、シーズンオフのこの時期なら何処でも民宿は閉鎖状態であるのでもっと安く泊まれると思いました。

それでも、森本氏のロッジに泊まれば、当然エンゾ氏のアドバイスやメンテナンスのサービスが受けられ、参加賞付きであれば当然参加費用が高いのはしかたないと勝手に思い込んで納得し振り込みしました。(参加費用の内訳の説明なし)

まず、心拍計の購入に躊躇しました。森本氏やエンゾ氏の勧めるポラール製は(\47,900又は\56,800)で、一番安い機種のSS200cad\26,930円と高価でしたが、参加の必要条件ということで、止むを得ず一番安い機種を購入しました。それに、通勤にマウンテンバイク用ペダルを使用していたので、ビンディングペダルとロード用シューズを購入し、秋用ウェアを購入したことで56万円を出費しました。

それに、往復の交通費を加えると約10万円に達し、更に、事前の下見費用にエンゾ氏の著書購入を加えたら今回の大会の参加費用総額は約180,000円になりました。

これだけ投資をしても、カリスマ・エンゾ氏からロードバイクのアドバイス指導をして貰えるなら十分に元は取れる大会であると信じて参加しました。しかし、その微かな期待は見事に裏切られる結果となりました。  

 

○ 大会前日(116)の出来事

私は、奈良の自宅を早朝立ったので、午後2時前には森本ロッジに一番先に着きました。自転車は、ツーキニストに使用している「タイオガ・コクーン」輪行袋で、自分で改良を加えた自信作の袋です。(5分以内で組立て収納可能と携行バンドが優れ物)

ロッジA棟は「岩元、相澤、M氏、S氏」と4名の名前が記載され、B棟は「Y氏、O氏、A氏」3名とC棟は「エンゾ・早川」と書かれてあり、ロッジ宿泊者は8名になっていました。他の大勢の参加者は、付近の民宿に分散して宿泊すると思いました。

私は、直ぐに着替えて、コースの下見を兼ねて下賀茂温泉から石廊崎を回り約20kmを走り帰って来ました。森本氏から、メンテナンスコーナーにバイクを置くよう指示され、そこに置いた瞬間、置いているのはGIOS高級バイクばかりで、咄嗟に「場違いの処に来た」と嫌な雰囲気を感じ取りました。

 

取りあえず銭湯温泉の「みなと湯」に行き汗を流しました。森本氏から「エンゾさんは港でハゼ釣りをしているので覗いて見て下さい。」と言われたので、湯上り姿で缶ビール片手に港に向かいました。エンゾ氏は本の写真と同じ風貌で直ぐに判ったので、私から「奈良から来た岩元です。宜しくお願いします。」と挨拶しましたが無愛想な返事が返って来ました。(一瞬、私の缶ビールが悪かったのかと感じました。)横で参加者と思われる男が二人釣りをしていたので、エンゾ氏に「参加者ですか。」と問うと「そうだ。」と言うので挨拶しようしましたが、高級ベンツに戻って行来ました。この大会は富裕層の人間が多く参加していることをその時に知りました。その場の雰囲気が白けたので、エンゾ氏に「先に戻ります。」と言ってロッジに戻りました。

 

相部屋には、相澤氏が到着しており自己紹介をしてバイク歴や機種等、エントリーした経緯などについて語り合い意見交換をして早速私の名刺を渡しました。

相澤氏の愛車は、TREK(トレック)と知りましたので「私は10年前の無名のクロモリで参加したので、ここは高級GIOSばかりで場違いに気付き来なければ良かったと後悔しています。」と言いました。相澤氏も「私も河川敷ばかり走っている素人ですので参加したことを後悔しています。」どうも、今回の参加者で初心者は、私ら二人だけで、後は全てエンゾ・ファミリーで占めていることが分かり、私達だけが完全に浮いて蚊帳の外だと直感しました。その結果は直ぐに出ました。

 

食堂のボードには、今回の参加者の名前とコースマップが貼ってありました。それを見ると、参加者はたったの11名(女性2名)だけでした。なんで、関東で有名なカリスマ自転車乗りのエンゾ氏が参加するのにこの人数しか集まらないか疑問を感じました。その中で、K女史はカメラマンでサポートに回るそうで、要するに私と相澤氏の二人だけが、初対面(初心者)で、後はエンゾ・ファミリーで占められていたのです。当然、地元の参加者やボランテァ・スポンサーはゼロという寂しい大会前日の状況でした。森本氏の指示通り参加者全員に自分の名刺を配りましたが、誰一人として名刺の交換はなくアドレスさえ教えてくれませんでした。目立ったのは、エンゾの著書に登場したS女史が(あちこちの大会で「エンゾさんの本に載っていた方ですね。」と声を掛けられ嬉しいです。)とエンゾ・ファミリーであるのを自慢していました。

 

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エンゾ氏は、ハゼ釣りから帰って来ると、早速自分が製作したS女史とK女史の赤色「ダッコルルディ」のメンテナンスに取りかかりました。自分の店で売った自転車なので当然だと思いました。しかし、初対面の私や相澤氏のバイクには目もくれませんでした。他のエンゾ・ファミリーは、自分達の高級バイクの「青い彗星(ラ・コメーター・ブルー)」を比べながら、自慢げに語り合って、とてもその輪に割って入れる雰囲気ではありませんでした。

 

エンゾ氏のバイクは、その場でもひと際目立つGIOSの最高級カーボンフレームで組んだ一番高い自転車でした。(フレームとカンパレコードなら軽く三桁です。こんな高い自転車に乗って、著書でゴージャスLOOKを非難出来るのかその理由が分らない。)やはり、この場は、エイドステーションの高級GIOSバイクの展示会か品評会で他のブランドは、唯1名を除いて全く相手にされていませんでした。(エンゾの子飼いの若いM氏のGIANTだけは理由不明で容認されていました。)エンゾ理論なら、安物のGIOS台湾製完成車かシクロスバイクでもその体力(体型)なら十分に勝算があると思いました。ハンディを背負って当然勝つのがカリスマ自転車乗りの真骨頂ではないのかと思ったわけです。

この夜の夕食は、前泊する全員は森本夫妻の案内で、休暇村内の居酒屋で夕食を取りました。エンゾ・ファミリーはなぜエンゾ氏が注文したと同じ料理を注文するのかが不思議でした。この場も、エンゾ理論が爆発しあらゆるジャンルに亘り、そのジャンルの有名人はエンゾの毒舌よって抹殺されました。

 

その途中で、最悪な場面が現れたのです。エンゾ氏の暴走はバイクの話で一気に加速し「TREK(トレック)」が駄目だと暴言を吐きました。更に、台湾製が悪いとエスカレートして、今日参加してそれに乗っている相澤氏の人間性が悪いようなところまで及んだのです。その瞬間、相澤氏の顔は蒼ざめ怒りで凍ばりました。私はこのエンゾ氏の幼稚さに愕然としました。その場のエンゾ・ファミリーの態度は、このエンゾ氏の暴言に対し諌めることや忠告することを一切しなかったのです。(エンゾ教祖に楯突くことが怖いのか。)自分の店でも台湾製を販売しており、ファミリーにも違うブランドに乗っている者がいるのに、それは許せて相澤氏のバイクが悪いという理論が不可解で理解出来ませんでした。

 

エンゾ氏の著書では、エンゾ・ファミリーの人間は立派な人間のように描かれているが、実像は随分かけ離れており、エンゾ氏と同じGIOSに乗り、頭の先からつま先までエンゾコピーで身を囲って喜び、一人歩きの出来ないエンゾ教信者の集団であることがその時はっきりわかったのです。(関東の自転車乗りグループは閉鎖的で、他から入ろうとする者を拒否する体質が強いと忠告があったのをすっかり忘れていました。)その夜は、相澤氏と二人だけが気分を悪くして床に着きました。

 

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○ 大会当日(117)のハプニング

   夜明けに1時間ジョギングして食堂に行くとマコさんがおにぎりとみそ汁を作っており、腹こしらえをして午前7時前にミーティングが始まりました。HPで宣伝するため地元の「伊豆新聞」とプロカメラマンだけはちゃっかり段取りしていましたが、村興しをする地元住民とボランテァの参加はゼロで誰も来ていませんでした。

森本氏はボードの地図を見ながらコースで迷い易いポイントを説明して、各人に略図を配布しました。しかし、スタート地点とゴール地点が決まっておらず、エンゾ氏の「弓ヶ浜の砂浜でええやろ。」の一言で、その時初めてスタート(ゴール)地点が決定されたのです。私は、HPでサポートカーを出しますと書いていたので「サポートカーは出ないのですか。関門制限はどうなるのですか。」と質問しました。すると、森本氏は「サポートカーはありません。自力かトラブルがあった時はタクシーで帰って下さい。関門の新天城トンネルを2時間30分以内に通過出来ない人は、そこから引き返しショートコースにするか、自由なコースを選んで帰って来て下さい。」と言いました。それを聞いた私と相澤氏は、騙し討ちにあったように愕然としました。何故かというと、事前で今回の完走が不可能な者は、私と相澤氏・S女史のこの三人だけだったからです。スタート時間は、当初午前800分だったのに、午前7時過ぎに浜辺で集合写真が終わると、いきなり合図なしに直ぐにスタートになりました。(後で、サイクルメーターで午前732分と判明)

 

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プロカメラマンの写真撮影のためR135号を谷津新浜橋まで集団走行することになりました。先頭は森本氏が引っ張り、その後方はファミリーの“青い彗星”が続き、相澤氏と私は中段を走り、最後尾はエンゾ氏が固め正にエンゾ・ファリー教団のオンパレードでした。しかし、この道路は主要国道で交通量が多く、何度もトラックがセンターラインをオーバーして私達を追い抜き、前方に出て幅寄せし進行を妨げるので危険性が一杯のコースでした。(今回は道路使用許可の申請をしたのでしょうか。来年は交通規制をしないと事故の危険性が大の箇所です。)

 

私は、新浜橋のコンビニでトイレ休憩した後、森本氏が「ここから自由走行になります。」の合図で“青い彗星”が先頭を走り出しました。

私と相澤氏は後方から付いて行くと、エンゾ氏が急に下佐ケ野のセブンイレブンでトイレ休憩に入りました。エンゾ・ファミリーは「右にならえ」とばかりにエンゾ氏に続いて下車しました。(何で、エンゾ氏と同じ行動を取るの。どうせ直ぐに抜かれるから先に行こう)と立ち止まらず先行しました。すると、相澤氏も私の後ろから付いて来ました。心配だった河津七滝ループ橋の登りは、思ったより楽にクリアしましたが、見晴らし茶屋当たりでエンゾ氏の率いる“青い彗星”に軽く抜かれました。

ゼー・ゼーと息を切らせ、心拍数も最大になり通行する車に冷や冷やしながら登尾トンネル・鍋央トンネルを通過して、やっと天城峠(標高638)の新天城トンネルに到着しました。到着時間は、午前955(走行距離約40km)、制限時間2時間30分の5分前でした。主催者である森本氏の姿は既になく、関門不通過を確認する者は誰一人としておりませんでした。後は、レースを続行するか撤退するかは、個人責任に身を委ねるしかない状況だったです。相澤氏も追って来る様子がないので、随分迷いましたがショートコースもハードであるので、このままレースの続行を決断しました。

 

自転車のテールランプを点灯させて安全を確保し新天城トンネルに突入し、峠からR414号を転がるように暴走して出口交差点に向かいました。途中には浄蓮の滝があり、観光客が溢れ交通量が多くバスやトラックに追い捲られ冷や汗の連続でくたくたに疲れました。なんとか出口交差点を右折してR136号に入り土肥温泉方向に向かいました。この国道も本大会では交通規制しないと事故の危険性が多いと感じました。

(走行距離約53km) そして、最後のコンビニに到着すると同室のS氏が先着しており、挨拶を交わすと先行して行きました。そこで、水分補給と補助食を取り、一人旅でだらだら坂を船原峠に向かいました。なんとか旧道に入り、下見のお陰で船原峠の分岐点も間違わず船原峠(標高574m)高架橋に到着しました。(走行距離約64km

 

暫く休憩を挟んで、相澤氏を待ちましたが来る様子がなかったので、仁科峠に向かうことにしました。しかし、そこからだらだらとした緩い上り坂が続き、両足はボディーブローのように効いてきて左足内転筋が痙攣を起こしました。痙攣が治まらず辛抱堪らず下車して暫く自転車を押して歩きました。すると、仁科峠から下ってきた数人の自転車乗りから「今日レースでもしているんですか。」と聞かれてガックリ来ました。この大会は、地元の自転車乗りは誰も知らない、認知度ゼロの無名大会だったのです。なんとか、足の痙攣も治まりヨタヨタしながら仁科峠(標高906m)に到達し、そこからは先は下見で走ったコースだったので、猛スピードで一気に松崎港を目指して下って行きました。この日は、深層水「健」を汲みに来ている車が少なく対向する危険度が随分少なくて楽に通過できました。

 

そして、松崎町内のコンビニで水分補給と休憩をして、道部交差点(ここで迷った人がいました。)から石廊崎方面の海岸線R136号に入り、下見をしていない未知のロードに突入しました。森本氏の話では、これから石廊崎までは夕焼けが見えるロケーションで最高のサイクルロードであると言っていました。しかし、その反面嫌らしいアップダウンが連続して続き、最後の難所との前評判通りにボディーブローが全身を襲って来ました。雲見港から雲見峠の急坂で、再び左内転筋が痙攣して下車してストレッチをしてなんとか凌ぎました。

 

峠の手前で、一人の自転車乗りを発見しました。近づくと自転車は“青い彗星”でエンゾ御用達のブルーの「エチェ・オンド」ウェアだったので直ぐに参加者と分りました。しかし、サングラスで顔が確認出来ず名前が分らず暫く後方からついて走りました。(後でO氏と判明。)O氏のペースが一向に上がらないので途中で抜いて先行しましたが、O氏にはゴールまで抜き返されることはありませんでした。そして、妻良港のアップダウウンをクリアすると差田分岐交差点に来ました。そこには「石廊崎まで8km」の距離表示が出ていました。(ここで迷った人がいました。)

 

ここは、昨日試走したコースで、やっとここまで戻って来て思わず眼頭が熱くなり「これで完走出来る。」と勇気百倍になりました。そこから、一気に加速して石廊崎の信号を突破し、試走して勝手知った港町を疾走しました。坂道は、全てダンシングでクリアすると、あの夢にまで見た弓ヶ浜の松並木と砂浜が見えて来ました。青野川の橋を越え信号を右折するとゴールは目の前に迫っていました。ゴールの瞬間を写真撮影すると言っていましたが、その場には大会関係者の斥候は出ておらず「誰がゴールに連絡するんや。」と不安ながらゴールに突入すると、案の定予想は的中しました。

私のゴールは全く予想していなかったのか、完走者とカメラマンは輪になって談笑しており、私の決定的瞬間の写真を撮影して貰えませんでした。

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○ 成績発表の出来事

   私の後方を走っている人が何人かいましたが、ロッジで汗を流すように言われ「みなと湯」に入って戻ると、相澤氏が無事に完走して帰っていました。

やはり、船原峠で迷い土肥温泉に行き海岸線を約5km遠回りして、日没寸前に辛うじて完走出来たとのことでした。(これは、サポートなしで完走したのは初心者としては奇跡だと思います。)もう一人最後に戻ってない人がいました。それはS女史で、エンゾ氏曰く「放っておいても何とか帰って来るよ。心配ない。」ですって。これって、エンゾ・ファミリーに対する愛情の表現なんでしょうね。森本氏は、正式記録発表と表彰式を行うと言いましたが、正式記録は大会関係者が計測しておらず、自己メーターによる自己申告制になっていました。

 

記録は、ネットタイム(走行時間のみ)で、グロスタイム(スタートピストルからゴールラインまでの通過時間)を採用していなかったのです。

マラソンは、スタートでスタートピストルが鳴ればロスタイムも含まれ、エイドの休息タイムも当然含んでゴールを通過した時間を総合タイムとして正式記録になっています。(トイレ休憩や休息タイムを含まない正式記録は正しくないと思う。)優勝を飾ったのは、予想通りエンゾ氏で、6時間2416秒で悦に浸っていました。どうもエンゾ・ファミリーがエンゾ教祖の逆鱗に触れたくないのか、勝ちを譲ったような雰囲気が漂っていたのを感じたのは私だけだったでしょうか。

私のゴールネットタイムは、7時間5840(11名中8)と申告しましたが、グロスタイムは8時間30分位でした。私が途中で抜いたO氏は、最後まで私を抜くことが出来なかったのに、私より早いタイムを申告して7位にランクされていました。

いくらこの大会が、練習会か試走会のレベルか知りませんが、こんないい加減な表彰式で気分の悪い印象が残った表彰式でした。(勿論、正式記録、完走証、完走メダル等の参加賞はゼロでした。)エンゾ氏からは、心拍計のデーターや著書の内容について質問は一切なく、せっかく心拍計と本を購入した努力は報われることはありませんでした。

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完走者のメッセージの発言を求められましたが、ここでもエンゾ氏の一人舞台で、最後にぶっちぎる(殺し方)講座を自画自賛して満足していました。これは、ジロ・ディ・箱根のデモンストレーションで自慢する会でしたのでしょうか。(コースは箱根に比べたら平地だらけで刺激がなかったそうです。その放言に呆れました。)

 

森本氏は「自己ベストを更新して満足しています。」と言いました。コースアウトして所在不明や連絡の取れない参加者が居たのに、大会実行委員長が、参加者の安全の確保や運営を放棄して選手として勝負に徹して良いのでしょうか。

この森本氏は、エンゾ氏に対し絶対服従する僕であって、エンゾ氏の顔色を窺う優柔不断な態度と決断力に欠ける点は、大会実行委員長の大任は大丈夫なんですか。

HPで企画していた、ツールド・南伊豆の村興し意見交換会(討論会)の催しは開催されませんでしたが、質問しないで参加者の意見が分ったのでしょうか。

 

兎に角、今回大会は参加者も少なく、事故やトラブルが皆無で全員がゴール出来たことは本当に奇跡だったと思います。今回の大会は、不備が多く危険と背中合わせの大会であった事実をしっかり受け止めて反省し、この教訓を来年の第1回大会に反映させて成功を収めるように宜しくお願い申し上げます。最後に、マコさんにありがとうと感謝申し上げます。早朝から深夜に亘りおにぎりやみそ汁を作って頂き、夜の料理も大変美味しかったです。森本氏を立てて控え目な態度が大変好感が持てました。これからも、森本氏を支えて頑張ってロッジ経営に努力して下さい。

私の記録は、運動記録時間(7:58:40)・最大心拍数/平均心拍数(176/139)・消費カロリー(4,986Kcal)・走行距離(141,2km)・平均速度(17,6km)・最高速度(59,0km)・平均ケイデンス/最大ケイデンス(61/108)という結果でした。

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○ エピローグ

森本氏から、今回の参加者に感想文の依頼がありました。このレポートは、森本氏のHPに掲載されることはなく闇に葬りされることになるでしょう。更に、エンゾ氏からは、エイドステーション出入り禁止と、執筆する雑誌(本)の中で、晒し者にされた挙句抹殺されることでしょう。(それを覚悟で書いていますが。)

 

エンゾ氏と森本氏が各講習の応募要領や審査方法を変更したいという話を耳にしましたが、私もこの提案には大いに賛成です。

まず、エントリーの条件として「こちらがわ予定者」

   1 各タイトルホルダー保有者は無条件でOKです。(著書に登場させ利用可能)

2 年収1000万円以上の富裕層。(上級公務員等、医者、弁護士、会社経営者)

3 エンゾ理論に賛同するGIOS所有者、又はエイドステーションで購入予定者。

4エンゾ・ファミリーに引き込み予定者。(エンゾコピーファッションを喜ぶ者)

 

講習を拒絶する者「あちらがわの人間」

1 エンゾの毒舌理論とファミリーに異を唱えるGIOS以外の自転車乗り。

2 年金生活者や年収が低い庶民。(貧乏人)

3 高額な講習料に異を唱える者。

(講習費用の内訳明示とエンゾ氏の報酬額をオープンにすることを望む者)

(1)   一泊二日の講習が88,000円から何故か120,000円に高騰している。

(2)   一泊二日渓流釣り講習は,38,000円。

(3)   三泊四日ダイエット講習は、120,000円。

の事前審査と面接を実施し、金に不自由していない富裕層で、エンゾ理論の信仰者に絞って参加者を募って頂きたいと思います。

 

これまで、本音を述べれば、私が“青い彗星”(ラ・コメーター・ブルー)に乗り、大和路を快走する雄姿を見る機会は、永遠に訪れることはないことでしょう。

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