“勝ち組”川崎に相応しい気持ちのいい優勝の形。〜フロンターレJ1制覇への助走〜
text by Masaki Asada
photograph by Masashi Hara
最後の柏戦を3−2で制しながら鹿島の勝利で優勝を逃した川崎。来年こそは優勝なるか
鹿島がJ1史上初の3連覇を達成した。さすがの強さ、と言いたいところだが、優勝クラブがその年、5連敗もした例は過去にない。さながら、居眠りしたウサギが、それでもカメに勝ってしまったようなものだ。本来油断に乗じる役回りのカメ(清水)まで、首位に立った途端に居眠り(5連敗)するのだから、何とも締まらないシーズンだった。
だから、というわけでもないのだが、最終的に2位に入った川崎にも、それほど「惜しかった」という印象がない。
結果だけを見れば、優勝と勝ち点差2の2位は、確かに惜敗である。しかし、問題はそこまでに至る展開だ。
棚ぼた的な川崎の優勝など実現しなくて良かった!?
開幕当初、川崎はスタートに出遅れ、一時は首位鹿島との勝ち点差が10を超えた。要するに、早々と先頭集団から脱落し、こぼれてくるチームを下で拾っていった末の2位だったのである。
粘り強く盛り返したことは評価できるが、それで優勝までたどり着こうというのは、虫が良すぎた。もし今年、優勝できていたとしても、「鹿島がコケたから」の印象は拭えなかっただろう。
もちろん、どんな形でも優勝は優勝、という考え方はできるだろう。それでも川崎にとっての初優勝が、こうして棚ぼた的に転がり込んでくるのは、何だかもったいないような気がしたのだ。
数少ないJクラブの成功例・川崎だからこそ、文句ない初優勝を。
川崎が'06年に初めて2位になったとき、正直、私はこれがピークだと見くびっていた。ベテランが多く、選手層も薄い。あとは落ちていくばかりだろう、と。
だが、実際は違った。チーム力を落とすことなく、新陳代謝は進んだ。大卒選手中心の補強は、個人的には好きではないが、選手の入れ替えを図りながら、これだけ安定した成績('06年以降、2、5、2、2位)を残していることは、称賛に値する。
また、無名の選手をチームの顔に育て上げ、外国籍選手獲得でもハズレを引かない。さらには、地道な活動が実って、着実に観客動員も増やしている。ピッチ内外で苦境にあえぐJクラブが多いなか、川崎は数少ない“勝ち組”なのだ。
だからこそ、それに相応しい勝ちっぷりを期待してしまう。
先頭集団で鹿島を競り落として、初優勝をもぎ取ってもらいたいし、その可能性があるクラブだとも思っている。
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