協栄ジムが「待った」!亀田大毅の世界戦“承認保留”

2009.12.22


亀田大毅の世界戦に協栄ジムから「待った」【拡大】

 来年2月7日の開催が発表されたWBA世界フライ級11位亀田大毅(20)の世界挑戦について、日本ボクシングコミッション(JBC)が承認を保留していることが21日、分かった。

 亀田ジムは19日に兵庫・神戸ワールド記念ホールで大毅が世界王者のデンカオセーン・カオウィチット(33)=タイ=とタイトルマッチを行うと発表。3度目の正直で王座獲得となれば、WBC世界フライ級王者の兄・興毅(23)と併せ、日本初の兄弟世界王者となる。

【興毅vs内藤の高視聴率うけ「もうひと商売」】

 ところが国内の全試合に権限を持つJBCが、この世界戦をまだ承認していない。これはかつて亀田兄弟も所属した協栄ジムが、JBCに「待った」をかけたからだ。

 そもそもデンカオは協栄所属の同級前王者・坂田健史(29)との防衛戦を希望し、10月中に正式契約も結んでいた。だが11月になってWBAが「坂田がここ2戦、(階級の違う)スーパーフライ級で試合をしている」という不可解な理由で承認を見送った。大毅vsデンカオの勝者が90日以内に坂田と指名試合を行うという折衷案が出たが、なし崩し的に大毅の世界挑戦が既成事実化する一方で、坂田の挑戦権は確定していない。

 この異常事態の背景を関係者は「(11月29日TBSの)興毅−内藤(大助)戦が視聴率43%を取ったことで、もう一回、亀田兄弟で商売しようという動きが活発化している」とみる。大毅の父・史郎氏がWBA本部があるパナマに渡ったり、協栄ジムから坂田vsデンカオの世界戦中継を打診されたTBSが「『まだWBAが承認するまで分からない』と最初から及び腰だった。こんな対応は初めて」(協栄ジム関係者)というのも、その一端か。

 不信感を抱いた協栄ジム側は17日、JBCに対して書面で「坂田への処置が確定されていない状態での(大毅vsデンカオの)試合の承認は保留して頂きたい」と要請。これを受けてJBCも「挑戦権が確認されるまで承認しない」との方針を固め、WBAに改めて正式な通達を求めた。その上で、来年2月の世界戦の契約書に坂田戦に関する条項を盛り込むよう両陣営に働きかけるという。

 坂田に2戦無敗と相性よく、対戦を求めていたデンカオは望むところ。問題は大毅が新王者となった場合、初防衛戦の相手に坂田を選ぶかどうか。世間の注目度は、大毅Vs坂田のほうが格段に高いと思われるが…。