昨日、「メディアバッシングの苦しさは、それを受けた人にしかわからない。」という佐藤優氏の言葉を紹介しました。
一夜明け、今朝になり人間の心理の奥底にあるものが分かったような気になりました。
それは、こういうことです。
人は、自分で自分の過去を消すことができれば前向きに生きることができる。
人は、他人に自分の過去を消されると、過去を取り戻すために常に後ろを振り返る。
過去を清算し、生まれ変わって前だけを見なさい、これはキリスト教最大の教えと言っても過言ではありません。
現在 − 過去 =ゼロ → 前向きの人生
私は度々この公式を紹介していますが、他人に過去を消されると、心のベクトルは → ではなく、←になるということです。
今朝の東京新聞の「本音のコラム」で精神科医の斎藤学氏はこのような話を紹介しています。
<引用開始>
(53歳の)家出主婦は冷酷な夫に愛想をつかして2年前に上京してきたが、東京を知らない。私のクリニックと寝場所のアパートを往復するだけだから。思い切って一人になったものの、寂しくて不安でたまらない。食事もそこそこに寝込んでしまう。
<引用終了>
夫婦のことは夫婦にしか分からりませんが、この夫婦はお互いの過去を消し合ったということだけは分かります。
夫婦に子供がいたのか分かりませんが、家出主婦の「寂しい」気持ちは、過去が消されたからであると私は考えます。冷酷とされた夫も妻により過去を消され、今は寂しくて仕方ないと私は推察します。
私も、一瞬のうちに何十年かけて積み上げてきた過去を消し去られました。昨日も記しましたが、過去を消された人間は、自分自身を自分自身で消したくなります。
私は、キリスト教により救われましたが、それまではブタのように転げまわっていました。正直、見えない敵が怖くて仕方ありませんでした。自殺を考えたのも事実です。
私は「最後のパレード」にこのようなコメントを記しました。
<開始>
いつも痛みで顔を歪めているお子様でした。病状が重く、心臓が止まる危険もあったそうです。ところが奇跡が起きました。ディズニーランドに向けて出発し、名古屋駅から新幹線に乗ったころ、痛みが消えてなくなったそうです。痛み止めの薬を服用せず、ディズニーランドを楽しんでいただいたという話も事実です。
「あなたの許可なくして、誰もあなたを傷つけることはできない」
エレノア・ルーズベルト
病は気からといいますが、人の意志の力は本当にすごい。そのことを私たちに気づかせてくれるエピソードですね。
<終了>
「あなたの許可なくして、誰もあなたを傷つけることはできない」のです。つまり、傷つくというのは、自分が選択した結果なのです。
前向きに明るく生きるか、変えることができない過去を振り返り寂しく生きるか、選択するのは自分自身です。
自分の未来を予測する方法は一つです。それは、自分で未来をつくってしまうことです。
私は、読売新聞の虚偽の記事により過去を消し去られました。今は前だけを見ることができるようになりました。それは、自ら悔い改め、過去を追いかけるのをやめたからです。
私は、読売新聞とは戦っていきますが、そのエネルギーは個人的な私憤ではなく、社会を良くしたいという公憤からです。
「前向きに生きる」とは、自分や社会への私憤を自ら消し去り、利他の心で「今」を生きることです。
自らが後ろへ進む「門」を閉め、自らが前へ進む「門」を開けるのです。
年も新しくなります。消すことができない過去を自ら消し去り、新しい年を明るく生きようではありませんか。