＜特集＞アニメ「とある科学の超電磁砲」　美少女４人の超バトル　オリジナルの展開も

　超能力を持ったスーパー女子中学生と、その仲間たちの学園生活を描いたアニメ「とある科学の超電磁砲（レールガン）」（東京ＭＸなど）が放送中だ。累計５５０万部（シリーズ２１巻）を発行している鎌池和馬さんのベストセラー「とある魔術の禁書目録（インデックス）」（灰村キヨタカさん画）のスピンオフコミック（冬川基さん画）で、ヒロイン御坂美琴が学園都市で起こる不思議な事件に立ち向かう……。

【写真特集】美琴の「超電磁砲」さく裂！　戦闘から日常ドラマまで　アニメシーン一覧

　「とある科学の超電磁砲」は、超能力が科学的に解明されている世界。能力開発が時間割に組み込まれている巨大な学園都市の住人の中で、たった７人しかいない“超能力（レベル５）”に位置しているスーパー中学生・御坂美琴（みさか・みこと）は、お嬢様学校・常盤台中学の中学生。一見、ぶっきらぼうだが、面倒見のいい性格で、後輩で「風紀委員（ジャッジメント）」の白井黒子（しらい・くろこ）らと楽しい学園生活を送っていた。黒子の同僚で、彼女のファンだという少女−−初春飾利（ういはる・かざり）と佐天涙子（さてん・るいこ）らと、学園都市で次々と起こる難事件に挑んでいく……。

　一番の魅力は、個性的なヒロインたちだ。美琴（佐藤利奈さん）は、竹を割ったような性格で人気者だが、気になる男の子には素直になれない“ツンデレ”キャラ。無類のカワイイもの好きで、ファンシーグッズには目がない。その美琴を「お姉さま」と呼んで必要以上にスキンシップを求める黒子（新井里美さん）は、「レベル４」の空間移動能力を駆使して都市の治安を守る「風紀委員（ジャッジメント）」として活躍。事件に立ち向かう時には普段とは裏腹の（？）正義感を見せる。黒子の同級生の風紀委員で「レベル１」の初春（豊崎愛生さん）は、「歩く花瓶」の異名を取る髪飾りがトレードマークで、ちょっぴりトロい行動に反して、人並み外れた情報処理能力を持ち、風紀委員の仕事をサポートする。佐天（伊藤かな恵さん）は、超能力が使えない「レベル０」だが、天真爛漫（らんまん）で、初春のスカートめくりが日課のいたずらっ子だ。

　その４人が交互に主役になるように物語は展開する。１話では、美琴が自動車を紙のように吹き飛ばし、その圧倒的な能力を披露する。３話では、のんびり屋の初春が、数台のＰＣを手足のごとく使って犯人を追い詰め、５話では、普段はひょうひょうとしている黒子の覚悟が語られる。１０話からは、佐天の心の弱さが利用され、都市を危機に陥れる大事件に発展してしまう。特にシリーズの後半は、原作の鎌池さんがかかわったオリジナルストーリーが展開されるという。

　超能力のアクションシーンも必見。美琴がコインを親指からはじき出すと同時に発動される「超電磁砲」（レールガン）発射のシーンは迫力満点。光を不自然に屈折させるため攻撃が当たらない敵に、黒子が廃ビル内に誘い込み、ビルの柱を壊して建物ごと相手ごと押しつぶすなど超能力者同士の息詰まるバトルも繰り広げられる。

　一方、美琴たちのゆるーい学園生活も楽しい。強引にスキンシップを迫る黒子を、美琴が返り討ちにするなど“お約束”も満載。超能力を悪用した学生に、美琴が説教したり、弱気になった佐天を初春が元気付ける熱血シーンも描かれる。

　アニメを盛り上げる音楽にも注目だ。声優の南條愛乃さんと八木沼悟志さんのユニット「ｆｒｉｐＳｉｄｅ」のオープニング曲「ｏｎｌｙ　ｍｙ　ｒａｉｌｇｕｎ」は、発売初週で約２万６０００枚を売り上げ、１１月１０日付のオリコン週間シングルランキングで３位に入る大ヒットを記録。ＥＬＩＳＡさんが歌うエンディング曲「Ｄｅａｒ　Ｍｙ　Ｆｒｉｅｎｄ　−まだ見ぬ未来へ−」も同週に２２位となった。

　原作者の鎌池さんがアニメの制作会議にも参加、さまざなアイデアを出しているという力の入れようで、アニメ「とらドラ！」をヒットさせた長井龍雪監督以下、スタッフの結束も固いという。１月２９日にはＤＶＤとブルーレイディスクが同時に発売で、スーパー女子中学生たちの活躍から目が離せない。

　◇

　アニメ公式サイトでは、ウェブラジオ「とある“ラジオ”の超電磁砲」が毎週金曜日に配信されている。

　初春役の豊崎さんと佐天役の伊藤さんが、投稿者の悩みを聞く「放課後お悩み相談室！」や、世の中のあやふやなことを判断する「ジャッジメント参上！」などのコーナーを展開している。

　◇シリーズ構成の水上清資さん　「最大の魅力はキャラクター」

　この作品の大きな魅力は、キャラクターに尽きます。長井監督は「友情」を大きなテーマにして、描いています。主人公の美琴は万能で面倒見がいい「お姉さま」ですが、何かが起きたときに一人ですべてを背負い込むタイプで、実は「友情」に対する考え方に欠落している部分があるんです。佐天も明るい子で、誰とでもフランクに接しているけれど、超能力がないことのコンプレックスが「幻想御手（レベルアッパー）」の事件で顕在化したりします。

　こうした表と裏の顔がしっかりある各キャラの多面性が物語の推進力になっていますから、そこはうまく見せていきたいと思っています。冬川基さんのコミックもしっかりしていて安心感があるので、アニメオリジナルの要素を膨らませやすいですね。シリーズの後半からは、原作者の鎌池和馬さん原案のオリジナルのストーリーが展開します。鎌池さんは、会議にも参加していただいて、自らいろいろなアイデアを出してくださるなど、いつの間にか“スタッフ”になって下さっています（笑）。

　（１０〜１２月の）第１クールは、強大な敵と美琴が対しましたが、（１０年１月からの）第２クールでは、４人が主役になり活躍します。黒子の意外と大人な一面や、初春がきっかけで４人の友情が危うくなるなど意外な場面もありますのでお楽しみに。「とある魔術の禁書目録」の外伝ですが、原作を知らない人にも楽しめるように気を付けています。アニメからオリジナルに興味を持ってもらえればうれしいですね。

　◇放送日程など

　ＴＯＫＹＯ ＭＸ（毎週金曜日深夜１時半）テレ玉（土曜日深夜１時半）チバテレビ（土曜日深夜１時３５分）ＭＢＳ（土曜日深夜１時５８分）ＡＴ−Ｘ（月曜日午後１１時）などで放送中

　ＤＶＤとブルーレイディスク１巻　２０１０年１月２９日発売（ＢＤ：７８７５円、ＤＶＤ：６８２５円）

　アニメ公式サイト　http://www.project-railgun.net/

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