鳩山首相の普天間基地グアム移転否定発言に社民党が反発強める
鳩山首相が普天間基地のグアム移転を否定した発言に、社民党が反発を強めている。
社民党・福島党首は28日午前、消費者担当相として、年末のあいさつで精力的な活動を誓った。
福島消費者相は「東に詐欺商法あれば走っていき、西にのどに詰まらせた人いれば走っていき、北にベビーカーに問題あれば...」と述べた。
その言葉通り、28日はまさに神出鬼没の1日となった。
公務の合間には、映画賞のセレモニーに出席し、俳優・三浦友和さんのもとに駆け寄り、握手を求める場面もあった。
存在感を強調する裏にあるものは、インドを訪問している鳩山首相。
そのインド訪問直前の鳩山首相の発言に波紋が広がっていた。
鳩山首相は、ラジオの収録で「グアムにすべて普天間を移設させるということは、無理があるんじゃないか」と述べていた。
この発言の真意を問われた鳩山首相は27日、「私の考えとして申し上げました。なかなか難しいのではないか、特に抑止力を考えれば難しいと」と述べ、首相個人の考えと断りながらも、普天間基地のグアム移設を明確に否定し、社民党の主張を否定する形になった。
さらに、前原国交相は27日、フジテレビの「新報道2001」で、「民主党の独自性が見えないと。国民新党、社民党に引っ張られているんじゃないかと。鳩山首相は、ご自身のカラーとか思いを全面に出されたらいい」と述べた。
一方、自民党の元防衛相の2人は、鳩山首相のシフトチェンジをそろって猛攻撃した。
石破元防衛相は「はっきり言えば、今ごろそんなことがわかりましたかと。そういうことがわかるのに、100日もかかりましたか」と述べた。
小池元防衛相は「この今の混乱ですから、誠に国益・安全保障の観点から、リーダーにそぐわない」と述べた。
今回の鳩山首相の発言に影響があるとみられているのが、相次いだ自民党からの参院議員の離党。
民主党の会派は、現在参議院では、社民党を除くと過半数に1議席足りない。
仮に1議員が加わると、社民党なしで過半数に達する。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は「はたして、小沢さんがそこまで露骨な多数派工作をやる、せっかく連立を組んできた社民党を切ってまでするということが、今の政権にプラスになるのか」と語った。
専門家は、現時点での「社民切り」に否定的な見方をする一方、あるとすれば、参院選直前の可能性を指摘した。
こうした中、社民党側は28日も、「非常に有力なところが、国外ではグアムだ。グアムも大きな選択肢の1つとして、3党の中でしっかり議論してまいります」と述べた。
28日、沖縄基地問題検討委員会が初めて行われた。
政府与党は、5月をめどに結論を出すことで一致した。
社民党の阿部政審会長は「何か違うことが出たら言いますよ。(感触は)いいんじゃないですか」と述べた。
一方、アメリカのクリントン国務長官と異例の会談を行った藤崎駐米大使が、北沢防衛相のもとを訪れるなど、年末を迎え、普天間問題はさらに混迷を極めている。
(12/28 18:37)