中部報道展が開幕し、サイン入りの写真パネルとともに笑顔を見せる中日ドラゴンズの井上一樹打撃コーチ。左は名古屋開府400年祭のキャラクター「はち丸」くん=名古屋市中村区の名鉄百貨店で(佐藤春彦撮影)
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ブーちゃんよ、「ドアラ」になれ。今季限りで現役を引退した中日の井上一樹打撃コーチ(38)が26日、名古屋市中村区の名鉄百貨店で始まった「中部報道展」(中部写真記者協会主催、31日まで、入場無料)の開場式に出席。「ブーちゃん」のニックネームで親しまれるドラフト3位ルーキーの中田亮二内野手(22)=亜大=へ、中日のマスコット・ドアラのような明るい人気者を目指せとアドバイスを送った。
エンターテイナーの血が新人随一のキャラクターに反応した。展覧会のテープカットで名古屋開府400年祭のマスコット「はち丸」との一風変わったツーショットを披露した井上コーチが、中田亮の話題になると途端にほおを緩めた。「ブーちゃんだろ。知っているよ。ブーちゃんには『はち丸』やドアラみたいになってほしいね」
マスコットを目指せという前代未聞の珍指令。それには理由があった。「大きい体で速く動くんだろ。注目されているらしいじゃないか」。中日にはいないタイプのキャラクター。現役時代にユーモラスな言動でファンを喜ばせてきた井上コーチにとって、“後継者”になりうる新人の登場だ。
「(暗い)不景気だからこそ、マスコットが受けるんだ。名古屋市は『はち丸』、中日はドアラ。だからブーちゃんには明るいキャラクターでチームの力になってほしいね」。中田亮のキャラクターがチームに活力を与えることを願った。
戦力としても期待大だ。井上コーチとは同じ左打者だけに、キャンプでは“門下生”になる可能性が高い。「圭(野本)やタケ(堂上剛)にとってもいい刺激になると思うよ」と井上コーチ。同世代の左打者と中田亮が競い合い、全体のレベルが上がれば願ったりかなったり。井上コーチのもくろみ通りになれば、グラウンドの内外でチームがグンと勢いを増す。
◆中田亮「ありがたいです」
自分にそっくりな?ドアラのぬいぐるみ片手に笑顔の中田亮(10月29日撮影)
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中田亮は井上コーチの「ドアラ指令?」を歓迎した。ドアラはテレビなどで目にしたことがあるようで、「かわいいですよね」とニヤリ。「井上さんにそう言っていただけるのはありがたいです。自分でも人気と実力を兼ね備えた選手になりたいと思っているんです」。マスコットに負けないような人気選手を目指すと宣言した。
入団会見では、「ブーちゃんと呼んでください」と自らニックネームを猛アピールした。井上コーチのようにファンに親しまれるプレーヤーに育つ可能性は十分だ。
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