ただ、同基金で役員並みの待遇を得ている参与は、人件費から給与が支払われる状態になっても、閣議決定された独法の天下りポストの凍結対象から外れている。今後、参与ポストが廃止されるかどうかも決まっていないという。
総務省はこの調査で、7独法計11ポストを「隠れ天下り」と確認。同省が所管する1ポストを廃止する方針で、他の所管省庁にも廃止の検討を要請している。
これに対し、同基金は、隠れ天下り問題が11月17日に報じられたことから、「参与ポストは、就業規則に沿った正規職員だが、透明性を高めるために(支出方法の変更を)決定した」と説明。参与ポストについては、「業務に必要な専門知識を有する人を採用した」としている。
北沢栄・元東北公益文科大大学院教授(公益学)は「もともと『事業費』として支出していた給与を『人件費』で払ったことにして『問題ありません』ということが通れば、調査は無意味だ。総務省は、独法側の自己申告に任せており、正直に申告してこないケースが考えられる。今後も『隠れ天下り』を続ける可能性もあるので、総務省は改めて、特別なチームを編成し、厳正な調査に当たる必要があるだろう」と話している。(釆沢嘉高、座小田英史)