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【調書漏洩裁判】情報源の精神科医に2審も有罪 奈良医師宅放火殺人
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奈良県田原本町の医師宅放火殺人事件をめぐり、ジャーナリストの草薙厚子さん(45)に医師の長男(19)の鑑定書の内容を漏らしたとして、秘密漏示罪に問われた精神科医、崎浜盛三被告(51)に対する控訴審判決が17日、大阪高裁であった。小倉正三裁判長は「医師として少年らのプライバシーにかかる秘密を漏らした」として、懲役4月、執行猶予3年(求刑懲役6月)を言い渡した1審奈良地裁判決を支持、控訴を棄却した。弁護側は即日上告した。
弁護側は1審同様、医師と鑑定人の立場は両立せず、調書は公判で公開されるため秘密に当たらない−などと無罪を主張。崎浜被告は「長男の更生のために殺人者のレッテルをはがしたかった」と陳述、正当な行為だったと訴えていた。
小倉裁判長は判決理由で「鑑定人は精神科医であることを前提としており、当時は非公開の少年審判が継続中だった」と指摘。「漏らしたのは個人的見解を公にするためであり、少年審判を上回る公益があるとはいえない」と述べ、弁護側の主張を失当と結論づけた。
一方、1審は取材協力者に秘密漏示罪を適用するかどうかの基準として、取材の目的や手段、方法の正当性などを考慮すべきだと判示したが、2審は言及を避けた。
判決によると、崎浜被告は平成18年10月、京都市の自宅やホテルで、3回にわたり草薙さんらと面会。奈良家裁から鑑定資料として貸与された長男や父親らの供述調書を見せるなどした。草薙さんは調書を引用した「僕はパパを殺すことに決めた」を執筆、19年5月に講談社から出版した。
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