改革派聖職者の葬儀に数十万人　イラン改革派の死去で

　【テヘラン共同】イラン改革派の精神的支柱とされるイスラム教シーア派の高位聖職者モンタゼリ師の葬儀が２１日、自宅のある中部コムで行われた。改革派ウェブサイトによると、中部イスファハンなど周辺地域から支持者ら数十万人が集まり、終了後に一部が「独裁者に死を」などと反政府スローガンを叫んでデモを実施、治安当局や保守派と衝突した。

　不正が指摘され大規模な騒乱に発展した６月の大統領選で敗退したムサビ元首相ら改革派は、当局に抗議行動を封じられ、国民行事などに紛れてデモを実施する戦略に転換。１１月の反米デモや７日の「学生の日」に続き、モンタゼリ師の葬儀も抗議デモの場と化した。葬儀に関連した行事が今後も開かれる見通しで、治安当局は警戒を強めている。

　同師の自宅前では、デモを阻止しようとした当局に取り囲まれた改革派が石を投げて抵抗。また、外壁に掲げられた同師の写真を取り外した保守派市民や、革命防衛隊傘下の民兵組織「バシジ」の一団とも衝突した。

　２０日から各地で散発的に追悼集会が開かれ、拘束者も出ている。