イラン中部コム(CNN) 10日に死去したイランのイスラム教シーア派の最高位聖職者「大アヤトラ」のフセイン・アリ・モンタゼリ師の葬儀が21日、聖地コムで営まれた。目撃者によると、改革派の精神的支柱だった同師の死を悼む何万人もの参列者が集結し、「独裁者に死を」などの反体制スローガンを叫んだ。
モンタゼリ師は30年前のイラン革命で重要な役割を果たし、今年6月の大統領選で保守強硬派アフマディネジャド大統領が再選されたことを公然と批判した。目撃者によると、この日は午前7時頃から同師自宅前に参列者が集まり始め、葬列が始まる時間までに群衆が膨らんだ。
葬儀では制服および私服の治安部隊が警戒にあたり、バス数台に乗ってきた私服の捜査官らが群衆に紛れ込んでいた。目撃者は騒乱がなかったとする一方、群衆が治安部隊の数歩手前でスローガンを叫び、緊迫した雰囲気だったと語った。
20日夜には首都テヘラン市内各地で、改革派デモのスローガン「神は偉大なり」が普段より大きく響いた。市内の広場ではモンタゼリ師の追悼集会が行われ、300─400人がろうそくを手にして集結した。治安部隊との騒乱はなかったという。