鳩山内閣が天皇陛下と中国の習近平(シー・チンピン)国家副主席の会見を慣例を破って実現したことについて、民主党の小沢一郎幹事長は21日の記者会見で「(外国賓客との会見は)憲法で規定している国事行為にはない」と述べつつ、「憲法の理念」として「天皇陛下が内閣の意を受けて行動なさることは当然だ」と語った。
憲法は内閣の助言と承認に基づく天皇の国事行為を列記するが、外国賓客との会見は明示していない。小沢氏は14日の会見では、天皇による習氏との会見は国事行為にあたると説明。天皇と習氏の会見を宮内庁に強く求めた内閣の対応を正当化していた。
だが、21日の会見では「陛下には全くのプライベートはないに等しい。日本国と日本国民統合の象徴というお立場にある」と述べたうえで、国事行為以外の行動にも「国民が選んだ内閣が責任を負う」と説明を変更した。
また、小沢氏は会見で「内閣が判断したことを陛下にお伺いすれば、喜んでやってくださると思う」と主張。14日の会見では天皇は習氏と会見を望むはずだと語り、与党幹事長が天皇の意思を「代弁」することが天皇の政治利用の観点から問題になったが、再び天皇の意思に言及した。
内閣の対応に疑問を呈した宮内庁の羽毛田信吾長官の批判も改めて展開。テレビ東京の番組収録で「一部局の役人が(内閣の方針が)決まった後で悪態をつく。とんでもない話だ。官僚主義の最たるものだ。頭にきた」と語った。