「横浜市のゴミと個人情報」という記事の件

Webの話じゃないので興味ない方はスルーで。

ツレいわく、ご近所の検閲おばさん(orちょっとアレげなストーカー?)がゴミ袋開けてダイレクトメールの宛名やらからゴミ主を割り出してなにやら楽しんで(?)いるらしく、噂話レベルではすまなさげなので、DMの宛名部分とかは切り取ってよしなにしようね、ということになっている。 そんなことに気を配りつつ年の瀬らしく掃除などしていて、はたと思い出したのがこの記事↓

クロノス・クラウン - 記事 - 横浜市の「ゴミ」と「個人情報」 (2009/8)
・横浜市では、ゴミ袋を開けて、中の写真を撮っている。
・個人情報が特定できる書類などが、後で分かるように鮮明に記録している。
・その写真データは、その局の人間なら、誰でもアクセスできる。
・撮影はデジカメで行っている。
・市資源循環局の職員が、定期的に各地を巡回して、撮影を行って回っている。
・撮影は、2008年5月の時点から始まっている。

で、燃えるゴミと燃えないゴミとかビンとカンとかが分別されてない!となると職員が直接注意しに来ちゃうかもね、的な話。 何それこわい、プライバシーの侵害だ、個人情報保護法だわーわーわー..... 一般ピープルの反応は想定どおり。

しかしあえて言おう、黙れそこのガキ。

しばらく横浜に住んでいたことのある社会人としてすぐさまこういう記事を書いてやろうと思っていたのだが、たしかこの時期忙しくってスルーして、で、いま突然思い出した次第。 不都合な真実を叫ぶのはいいことだが、「じゃ、どうしてこうなったの?」というところに触れることをまったくせずに法律だの条令だの条文を持ち出してどうのこうの言うオトナのことをガキと呼ぶべきだと思うんだ。シュレッダーのアフィリエイトリンクはりたかっただけちゃうんかと。

そもそも市の職員だって誰もそんな面倒なことしたくないはずで。んじゃあなんでかというと、横浜市のゴミ分別の歴史に理由があるわけですね。

ぶっちゃけ、昔の横浜市はビンとカンの分別すらないという驚異的なゴミ収集体制だった。

なんでそんなことができたかというと、横浜市のゴミ焼却設備の充実度にあった。 知ってのとおりの巨大都市横浜。政令指定都市であるがゆえに都道府県なみに潤沢な交付税収入、東京のベッドタウンとしての大量の人口とその住民税収入。おかげで18区(だったかな)ある全ての区に一個ずつ巨大なごみ焼却工場が整備されていた。もちろん必ずその隣に廃熱利用の温水プールつき。

たまに都内に住んでる友人宅に行くと、プラごみがどうのカンがアルミと鉄で分けてどうのとか言ってるのを見ると「何やってんだ?」というのが正直な感想でしたよ。ええ。

さて、バブルもはじけきって、他の自治体と同様に財政ヤバイ!状態になってきたころ、公務さぼってキャバクラ通いしてた中田市長がそれなりに仕事したのが、「清掃工場が一区に一個ずつあんの?それ贅沢すぎね?よし!まずは二区ごとで一工場に減らしてコスト削減だ!っていうかゴミの分別やってねーの?!えー!それいまどきありえなくね?」という流れ。 そりゃそういう話にもなるだろう、いままでがエコじゃなさすぎ時代遅れすぎ。

ところが、ゴミの分別なんてやったこともない、せいぜい乾電池を別のビニール袋に入れるくらいしかやったことのない、何十年も済んでる一人暮らしのおじいさんとか単身赴任のお父さんとか16号線と134号線で赤い星つけて珍走してた元ヤンキーとかが、急に「毎日ゴミの分別やれ!」って言われて、やるわけねーじゃん。

という横浜市特有の時代遅れなゴミ処理の歴史と、あとはパソコンやデジカメといった情報ツールの進化とが相まってこういう状況を生んだのであります。

いいから早く年賀状仕上げて大掃除しろ、ですよねそうですよね。

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