ハエもお酒にのまれます 米大学で確認 依存症遺伝子の解明に期待
2009年12月12日(土)17時0分配信 産経新聞
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だんだん酒量が増える、酔っ払うまで飲む、禁酒をやめるとすぐ戻る−。人間のアルコール依存症とそっくりな症状をショウジョウバエが示すことを、米カリフォルニア大の研究チームが多角的な実験で確認した。ショウジョウバエは遺伝子操作が容易で、さまざまな変異体が飼育されており、依存症に関与する遺伝子群を解明するのに役立つという。研究成果は米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表された。 ショウジョウバエはもともと、自然発酵することがある熟した果実や樹液などを好む。しかし、研究チームの実験では、エタノールのにおいは好きだが、味は本来は嫌いとみられることが分かった。 蔗糖(しょとう)と酵母エキスの溶液に15%のエタノール水を加えて与えると、日を追って摂取量が増加。エタノール度数を5〜25%の範囲で選択できるようにすると、4、5日目には「強い酒」を好むようになった。 さらに、4日間の飲酒と20時間の絶食の後、エタノールの入った溶液と入らない溶液を選べるようにすると、エタノール入りを大量に摂取して、異常に活発に動いたり、ふらついたりした。 苦い薬のキニーネをエタノール溶液に加えると、最初は嫌うが、次第に好んで摂取。3日間、エタノールなしの溶液を与えた後、再びエタノール入り溶液を摂取できるようにすると、以前の最大酒量に戻った。