ギャンブルではなかった。
謝らなくてはならない。
池添君の涙で、私の汚れた心が洗われた。池添君ありがとう。
そして何より、ドリームジャーニー、ありがとう。
思えば、小さな馬体とピッチ走法に自分を重ね合わせ、血統的にも、大好きなエレクトロアートに最愛のメジロマックイーンだったのに、なぜもっと愛さなかったのだろう。
彼を愛していれば、今日のレースは、史上に残る有馬の1つであることにレース前に気づいていたはずだ。
ブエナ。調教師が悪くても、君は悪くないんだった。アンカツでも横典でも、君は、いつも一生懸命走るだけだった。冷たくして悪かった。
スリーロールス。そういうつもりはなかったんだ。たまたまかもしれないが、パドックで、騎乗前の浜中君が、派手な女性と記念撮影しているのを見て、不快に思ってしまった私が悪かった。スリーロールスには罪はないのに。
ゴッホ。前で競馬しないと、前から捲らないと、君は勝てないのに、ごめんね。最後なのに、ベストのレースを見られなかった。
しかし、素晴らしいレースだった。プリキュア、リーチのおかげもある。こういう馬達が居ないと、駄目だ。彼らのおかげで、力がはっきりと現れたレースとなった。だから感動するのだ。池添君だけでなく、どれだけ多くの関係者が喜び、泣いただろうか。
ブエナも素晴らしい。この二頭は、果てしなく強いだろう。アンカツは可哀想だ。今日は、アンカツがジャーニーの少し前に居て、二頭で捲る展開になっても同じような結果になっただろう。
しかし、競馬はギャンブルではない。決して。それは人間の都合と欲望で、ギャンブルにさせられているだけなのだ。
私が悪かった。初心を忘れていた。私は、馬を愛し、人を愛し、競馬を愛していたことを。
もうギャンブラーには戻れない。