2009年9月30日23時56分
民主党の小沢一郎幹事長は30日、静岡市で記者会見し、来年夏の参院選で都道府県単位の選挙区のうち、改選数2以上の複数区に候補者を複数擁立する方針を明らかにした。民主党は参院で単独過半数に満たないため、社民、国民新党と連立政権を組んでいるが、積極的な擁立で単独過半数を確保し、政権運営を安定させる狙いがある。
幹事長に就任後、小沢氏が会見に臨むのは初めて。小沢氏は「参院で民主党は第1党だが、過半数に届いていない」と指摘したうえで、「来年の参院選では(改選数が)複数の県は、可能な限り複数(候補者を)擁立する」と表明。単独過半数獲得に意欲を示した。参院(議長を除く)の過半数は121。現在、民主系会派のうち国民新など他党を除くと民主党は112人で、過半数に9人足りない。
小沢氏は、社民、国民新両党との関係について、来年夏の参院選で単独過半数を得た場合、連立政権を維持するかどうかは言及しなかったが、「連立を組む政党の現職候補がいる県は別にする」とも述べ、今回の総選挙と同様、両党との選挙協力は進める考えも示した。
今回の会見は、参院静岡選挙区補選(被選挙数1)での公認候補発表が主な目的。補選で民主党が勝利すれば、来年の参院選で同選挙区(改選数2)は現職が2人になる。党内では、こうした複数区の複数候補擁立に「共倒れ」になるとの懸念も強いが、小沢氏は自民党を支持してきた建設業界などの切り崩しを進めることで、議席を確保したい考えだ。
小沢氏に近い参院幹部は「過半数のいらない野党時代からの発想の切り替えが必要だ」と強調しており、小沢氏は選挙区で民主党の候補者同士を競わせ、比例区の票を掘り起こすことも狙っているとみられる。(本田修一)