音声ブラウザ専用。こちらより記事見出しへ移動可能です。クリック。

音声ブラウザ専用。こちらより検索フォームへ移動可能です。クリック。

NIKKEI NET

中国、海洋資源の確保狙う 離島保護で新法

 【北京=佐藤賢】中国の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)常務委員会で26日、離島の保護・開発を規定した「島しょ保護法」が成立した。国による無人島管理や離島の環境保護が柱で、離島やその周辺の排他的経済水域(EEZ)のエネルギーや漁業資源の確保が狙い。南シナ海などで領有権を争う周辺国との摩擦が再燃する可能性もある。

 島しょ保護法には「水に囲まれ、満潮時に水没する陸地」の保護・管理に同法の規定を「照合」することを盛り込んだ。「法の運用次第では満潮時に水没しないように『管理』し、領海を広げようとする可能性も否定できない」(外交筋)との懸念も出ている。

 中国には500平方メートル以上の面積を持つ島が6900余りあり、このうち約94%が無人島。500平方メートル未満の島は1万以上で、浸食で消滅した島も多い。島しょ保護法は「海洋権益の確保」を目的として明記。無人島の所有権が国に属することを規定した。環境破壊を防ぐため離島での開発の制限も盛り込んだ。 (01:29)