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映画界の内側知る2冊

2009年12月26日

 映画ジャーナリストの著書が2点相次いで刊行された。

 一つは、大高宏雄編・著の「映画賞を一人で作った男―日プロ大賞の18年―」(愛育社)。興行を絡めた独自の映画論を展開する編著者が、1992年に個人で始めた日本映画プロフェッショナル大賞の歴史を振り返る。

 同賞はプロデューサーや宣伝マン、劇場支配人らが単館系の秀作を表彰するユニークな賞だ。同賞設置の契機となるピンク映画のイベント(84年)に駆けつけた滝田洋二郎や周防正行ら、現代の日本映画を支える監督たちが初々しく熱い。

 もう一つは斉藤守彦著「映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?」(ダイヤモンド社)。シネコンの普及で全国のスクリーン数が約3300に増え、入場者数も1億6千万人まで回復しているが、業界の内実は決して健全とは言えない。なぜ業界も観客も得をしないシステムが続いているのか。世界的に見ても高い入場料金を入り口に、日本映画界の全体像を分かりやすく解説している。

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