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◇リーダーの仕事学

世界水準のサービス目指す


韓裕(はん・ゆう)さん
マルハン社長
1963年京都府生まれ。京都商業の5番打者として夏の甲子園大会で準優勝。90年マルハン入社。副社長などを経て2008年社長就任。

 夏の甲子園で準優勝を経験。父・昌祐さん(現会長)が創業したマルハンに20年前に入社し、パチンコ業界の体質改革に全力投球してきた。「社業を通して社会に何を提供できるか」を常に考えながら、世界のどの業界にも負けないサービス水準を目指している。

 大学卒業後、地産でサービス業を経験し、26歳でマルハンに入社しました。最初は経理部に入り、お金の流れを勉強しました。合間に現場に行くと、スタッフがたばこを吸いながら仕事をするなど、お客様にきちんと向かい合っていない。「これは変えなければ」と思いました。

体質改善に孤軍奮闘

 経営企画室という私1人の部署をつくり、経理と2足のわらじで店舗を回りました。1年ぐらい、あの手この手を尽くしましたが、まったく変わらない。事業拡大の中で、「何のために仕事をしているのか」「社業を通して世の中に何を提供していくのか」という意味づけが、社内で共有されていなかったのです。

 そこで創業の精神や経営理念をまとめる作業をし、「パチンコはサービス業だ」ということを強く意識した理念体系を作りました。しかし、従業員の考え方はなかなか変わりません。2年間もがき苦しんだ末、私の理想を表現するモデル店をまず1店舗つくることにしました。その店で初めて、お客様に「いらっしゃいませ」という言葉を発しました。それまでは「お客様」という言葉もなかった。従業員の役割は「客を管理する」ことで、威圧的にすべきだという考え方が支配的だったのです。

 1993年からは大学新卒の定期採用を開始し、モデル店に配属しました。様々な実験をしながらモデル店を増やしていくうち、かなりのスピードで変わり始めました。

 新卒採用には、私の仕事の8割ぐらいを割きました。上場会社を目指しているような新卒を集めないと、業界の成長にはつながらない。就職セミナーでの会社説明は、すべて私がしました。面接も100人ぐらいまでは全部、自分でしました。1人1人と向き合い、「過去の人の実績に乗っかるのではなく、一緒に切り開いていく人生を選択しないか」と訴えました。その採用者たちが今、部長やエリア長になっています。

最善尽くした失敗許す

 マルハンの理念に、「挑戦を続ける組織〜失敗や変化を恐れず挑戦せよ〜」があります。世界の盗塁王・福本豊さんは、盗塁失敗の日本記録も持っています。企業は成熟すればするほど守りや管理の方へ寄っていく。ベストを尽くした失敗は許容するということを、経営者が十分意識していかなければ、チャレンジ精神は育たないと思っています。

 パチンコ業界は今、過渡期にあります。新しい顧客を獲得するため、違った角度から見て、進化させていきたい。マルハンも250店舗を超えたので、有名なスイーツ店やワインのソムリエなどと協力し、独自の景品を開発しています。また、音量やたばこの煙の問題も研究中です。

 社会人野球チームが減る中、マルハンは「全国草野球トーナメント」を始めました。第3回大会には1096チーム、約2万5000人が参加しました。決勝は東京ドームです。結構大がかりなので運営は簡単ではありませんが、企業努力を重ねて長く続け、多くの人たちに愛される大会にしていきたいと思います。(談)

<メモ>マルハン
 1957年創業。ボウリング場などを手がけた後、75年に本格的な郊外型パチンコ店を開業。現在、パチンコホール251店舗、レジャー・アミューズメント13店舗を展開。売上高2兆559億円、従業員1万2671人(2009年3月期連結)。本社は京都、東京。

2009年12月24日  読売新聞)

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