【エルサレム=井上道夫】イスラエル軍は26日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ナブルスで、パレスチナ人3人を殺害した。軍は、3人が24日に西岸でユダヤ人入植者1人が射殺された事件の実行犯と説明している。
軍報道官によると、3人は24日、自治区トルカレム近郊で、車を運転中のユダヤ人男性(45)を射殺後、逃走。軍は26日、3人がいた家屋を包囲し、降伏を呼びかけたが応じず、撃ち合いになったという。3人のうち1人(40)は、パレスチナ解放機構(PLO)の主流派組織ファタハ傘下の武装勢力のメンバー。爆発物製造などの容疑で2002年に逮捕され、09年1月まで服役していた。
AFP通信によると、殺害された男性の家族は「軍が突然家屋に押し入り、無抵抗だったにもかかわらず殺された」と訴えている。
軍は26日、パレスチナ自治区ガザ北部でもパレスチナ人3人を殺害した。イスラエルを攻撃する目的で境界線に近づいてきたので、地上部隊や空軍が応戦したと説明。ガザを支配するイスラム組織ハマスは、3人はくず鉄を拾っていただけと反発している。