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きょうのコラム「時鐘」 2009年12月27日
金沢競馬で363万円の配当が出たという記事に、さほどビックリしないのに驚いた
紛れもない「夢の配当」なのだが、政治家の周辺では連日のように億単位の金の不透明な流れが報じられている。しばし金銭感覚がおかしくなった。富山の路面電車は、600円で1日乗り放題となる。億とはケタ違いの金額だが、「お得な料金」と喜ぶのが健全であろう タクシー運転手から面白い話を聞いた。10円単位の釣り銭はちゃんと受け取り、100円台だと「取っといて」という客が目に付くという。逆ではない。少額の進呈に「ありがとう」と言われるのは気が引けるが、100円単位ならばそうでもない。運転手は客の心理をそう解説した ケチと、健全な金銭感覚とは違う。情や思いやりが、金の価値を増す。近くの菓子店は、今も1個おまけの夕方のサービスをしている。売れ残ると困るからと勘繰るよりも、おまけの心遣いを素直に喜んだ方が、菓子はおいしい 不況風が吹き荒れても、損得ずくでない心配りは健在である。が、いつまでも風がやまないと、そんな大事な心まで吹き飛ばないかと心配になる。 |