紀州鉱山に朝鮮人の追悼碑設置へ 市民団体、苦節13年三重県旧紀和町(現熊野市)の紀州鉱山(閉山)に第2次世界大戦中、強制連行され死亡した朝鮮人を追悼する石碑が来年3月末、同鉱山跡近くに設置されることになった。 約13年前から碑設置に取り組んできた市民団体「紀州鉱山の真実を明らかにする会」(キム・チョンミ事務局長)は「これを機に地元でもあまり知られていない鉱山への強制連行の歴史を知ってほしい」と話している。 同会によると鉱山は当時、大阪市の石原産業が経営。1940~45年に千人以上の朝鮮人が強制連行され、うち30人以上が死亡したとされるが、遺骨は共同墓地や寺に分散。鉱山事務所跡にある熊野市営の鉱山資料館には、朝鮮人が働いていたことを示す展示もない。 熊野市は、紀州鉱山で亡くなった英国人捕虜16人について「史跡英国人墓地」として慰霊。キムさんらは朝鮮人追悼の場も設置するよう求めてきたが、市は「英国人墓地は石原産業から譲り受けた」として退けてきた。 このため同会は今回、市への要求を断念。自費で土地を購入し、碑を設置することを決めた。 【共同通信】
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