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企業カレンダー減少 不況で配布絞り込み 仙台圏

書店のカレンダー売り場。家庭向けの販売は伸びている=仙台市青葉区、丸善仙台アエル店

 仙台圏の企業で、顧客や取引先に配るカレンダーの数が減っている。不況の影響で、印刷業者への発注枚数や配布先を絞り込んでいるのが要因。こうした流れを受けて、仙台市内の書店などでは自分のお気に入りを選んで購入する客が増えている。カレンダーは、「もらう物」から「買う物」へと変化の兆しを見せている。

 業務用カレンダーを手掛ける印刷会社、マツウラ(仙台市若林区)の今冬のカレンダー受注額は、ピークだった15年ほど前の約6割。減少傾向が続いており、前年比でも約3%落ち込んだ。「不況で企業のコスト意識がシビアになってきた。さらに絞り込みが強まるかも」と松浦京子部長は表情を曇らせる。

 サトーカレンダー(同区)も受注減を肌で感じる。企業名入りカレンダーを扱うが「100部だったのを80部にするなど、端数での注文が増えた。不況下で必要部数以上は頼まなくなっているようだ」と語る。

 実際に、仙台市宮城野区の食品卸会社は、取引先に配るカレンダーを昨年より30部減らした。削減率は約1%と小さいが「無駄にするカレンダーを減らそうと数を見直した。経費に厳しくならざるを得ない」と明かす。

 楽天リサーチ(東京)が、カレンダーについて今月実施した全国モニター調査(対象1000人)によると、取引先からのカレンダーが「やや減った」と「かなり減った」を合わせると47.6%に上り、「変わらない」(23.7%)と「増えた」(5.2%)を大きく上回った。同社は「企業が手をつけやすいPR費の削減を進めている影響ではないか」と分析する。

 一方で、家庭用のカレンダー商戦は好調だ。仙台市青葉区の「丸善仙台アエル店」では、前年同期に比べ、売り上げで3%、部数では8%ほど伸びている。購入するのは女性が中心。ペットや風景の写真が入った定番商品に加え、仙台の昔の写真を使ったカレンダーなども人気を集めているという。

 関谷俊弘店長は「ことしは『取引先からもらえなかった』と買っていく人も目立つ。家庭用のカレンダーを自分で選ぶ人が増えている」と話す。


2009年12月24日木曜日

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