今週は2009年のランキング「ハードウェア編」として、私が実際に自宅で使い続けている機器のなかからベスト3を選んで紹介する。今年はアクセサリーとコンポーネントのそれぞれについて3点を絞り込んだ。
コンポーネントの第3位はパナソニックのBDレコーダー、DMR-BW970である。目玉機能であるシアターモードの搭載も高く評価できるが、録画機としての使い勝手が熟成の領域に達しており、日々不満なく安心して使える信頼性の高さが際立っている。普段はパイオニアのPDP-5000EXにつないでいるが、プロジェクターと組み合わせた大画面再生でもディテール再現に不満を感じることはない。
第2位は前々回にも取り上げたパイオニアのBDP-LX91を選ぶのが、使用頻度からみて順当だと思う。BD-ROM再生の現在の筆者のリファレンスであり、映像機器やAVアンプを自宅で評価する際は本機の再生信号が基準になっている。以前も紹介した通り、音声はアナログ出力を利用しているが、その品質は現在でもトップ水準にあり、映画はもちろんのこと、マルチチャンネル収録のオペラやコンサートなど、豊富な空間情報を有するステージ作品を再生すると本機の真価がよくわかる。重心の低い安定感と彫りの深い立体的なパースペクティブは、DMR-BW970のシアターモードを上回っている。
コンポーネントの第1位はオーディオ機器代表としてリンのKLIMAX DSを選ぶほかないだろう。実質的に稼働し始めたがちょうど2009年冒頭で、導入後まもなく1年を迎える。発売からはすでに2年を経ているので新製品と呼ぶのは難しいのだが、今年だけでも大きなリニューアルを経ており、製品の鮮度は失われていない。ソフトウェアがBUTEからCARAに更新されて音質と操作性の両面で大きな進化を達成した直後、今度は電源回路を最新技術を導入した「DYNAMIK Power Supply」に交換、3次元的な表現力がさらに向上したことはいまも鮮明に記憶している。
さらにごく最近、CARAを最新世代のCARA4にアップグレードしたところ、本体のディスプレイで日本語表示が可能になり、使い勝手が大幅に改善された。いままでは日本語フォントの部分だけ「***(アステリスク)」で表示されていたのだが、写真でもわかるように、普通に日本語表示ができるようになったのだ。KLIMAX DSは特にディスプレイが小さいので日本語表示は無理かと思っていたのだが、ファームウェアの書き換えだけで難なく実現した。これだけ大きなアップグレードが続くと、新製品ではないとはいえ、中身は大きく生まれ変わっているので、今年のランキングに入れても問題はないだろう。ちなみにソニーのPS3も頻繁なアップデートで生き延びていて、いまは試聴室隣りの仕事部屋のシステムでBD再生のリファレンスとして活躍している。
ここからはアクセサリー編のベスト3を紹介しよう。
第3位はフルテックのアナログレコード用スタビライザー「
Monza LP Stabilizer」である。非磁性体ステンレスとカーボンファイバーを組み合わせたシンプルな構造だが、レコードに接触する面の素材にも工夫を凝らしており、不要振動を抑える効果に加え、静電気を除去する効果も大きい。スタビライザーの機能そのものが従来品に比べて進化しているため、すでに手持ちの製品があっても、新たに本機を導入する価値は十分にあると思う。
第2位はアコースティック・リバイブの空気充填式オーディオボード「
RAF-48」を選んだ。エアーダンピングの振動吸収効果はいまさら説明するまでもないが、このボードは手動で空気を充填するというシンプルな発想に感心させられた。毎日作業が必要だが、自分で圧力をコントロールできる点はメリットととらえることができる。なお、重量バランスが均等な製品と組み合わせることで本来の効果を発揮することは覚えておきたい。
第1位はリンデマンの「
USB-DDC」を挙げることにするが、このDDコンバーターをアクセサリーと呼ぶのが適当かどうかはよくわからないので、フルテックのUSBケーブル「GT2-USB」シリーズと組み合わせ、USBの高音質伝送システムとして紹介しておきたい。
本ページでも何度か紹介してきた通り、今年はベルリンフィルの「デジタルコンサートホール」が自宅のメインソースの一つに加わった。そのライヴやアーカイヴを再生するとき、このDDコンバーターとUSBケーブルの組み合わせが不可欠なのである。2010年には本格的なUSB-DACを導入する予定だが、パソコンを利用したストリーミング再生にはUSB-DDCでもオーバークオリティ気味で、音質面での不満はまったくない。
本連載の1年間を振り返るとオーディオ関連のテーマが昨年までに比べて増えているが、これは明らかにDSの影響である。特に意識はしていなかったのだが、音楽を聴く時間が増え、オーディオ機器やアクセサリーに触れる機会が増えていたわけで、今回のランキングにもその影響が現れている。来年はDSのような刺激的な製品が映像機器にも登場することを期待したいものだ。