2009年08月21日

◆ 若者の感染防止策

 若者には、ワクチンを接種するのでなく、別の方法で感染を予防すればいい。では、別の方法とは?

 ──

 前項では「ワクチンの優先順位」という話題を扱った。そこでは、「若者にもワクチンを」という主張を紹介したが、「命を救うためでなく、感染者を減らすためであれば、ワクチンよりも、別の方法がある」と述べた。
 では、(感染者を減らすための)別の方法とは? それを具体的に示す。

 ──

 まず、インフルエンザの感染の基本原理を示そう。
 一般に、空気感染する病気では、感染者が歩いているそばを通りかかっただけでも、あっさり感染する。(例:はしか)
 しかし、インフルエンザは、そういう意味の空気感染はしない。かわりに、次のような形で感染する。
  ・ 密閉された室内空間で感染者と長時間の同居 (空気感染ふう。飛沫が重要)
  ・ 低温・乾燥した空気に触れて、鼻や喉の免疫力が低下。

 これらは、原因とも言える。そこで、原因を知れば、対策もわかる。以下で述べよう。

 ──

 《 原因 → 対策 》

 特に学童に絞って、原因と対策を示す。

 (1) 
 感染者が出席する
 → 感染者は出席させない。(もし出席したら帰宅させる。体温測定。)

 (2)
 登校時にバスや電車で密集状態
 → 時差登校する。(例。1年生は 10分早く登校して、朝の読書。)

 (3)
 教室が乾燥している
 → 教室で加湿する。(例。業務用の加湿器。濡れタオル。)

 (4)
 各人の免疫力が低下している
 → 免疫力を高める。(例。十分な睡眠。朝食を取る。体育はマラソン。)

 (5)
 その他、通常のインフルエンザ対策もある。
 (例。登下校時のマスク。昼食前に、手洗い。うがい。)

 ──

 ともあれ、以上の方法で、流行をかなり阻止できる。逆に言えば、現状は、「インフルエンザを流行させる方法」を取っているのだ。そんな方法を取りながら、ワクチンだけを接種しても、尻抜けである。馬鹿げている。

 オマケで言えば、「キスの禁止」もした方がいいだろう……と書きたいところだったが、ここは日本だから、その必要性は低い。
 しかしやはり、「若者たちはキスのご遠慮を」という方針を示した方がいいかもね。  (^^);
 それにしても、「手洗い」だけを推奨して、キスを放置するというのは、これいかに? 本末転倒ふうだと思えるが。……アメリカあたりでは、学校における感染拡大の主因はキスかもしれないのだ。なのに、「キス禁止」を指示しないで、「ワクチンを」と結論するのは、論理があまりにも滅茶苦茶ではないか?
 
 HIV は、エッチによって感染が拡大した。インフルエンザは、キスによって感染が拡大するのかも。……冗談みたいだけど、本当っぽい話。


キスマーク




 [ 付記 ]
 「インフルエンザの感染予防機能付きの加湿器」
 というものが、最近開発された。これは、単に空気を加湿するだけのものではなく、ウイルスに直接作用する。特殊な電解液と空気を触れさせることで、ウイルスの感染力をなくす。(ウイルスを破壊する、と言ってもいい。不活性化させる、と言ってもいい。おおざっぱに言えば、塩素殺菌みたいなもの。)
 特に効果が有効であると実証されたのは、三洋電機のものだ。
 三洋と群馬県衛生環境研究所との共同実験で、新型インフルのウイルス感染力を99%以上低下させる効果があることが確認された。工業的な技術による新型インフルの抑制効果が実証されたのは世界で初めて。
 11月1日には、オフィスや病院など人が集まる場所に適した大容量加湿器も発売する。大容量加湿器の希望小売価格は9万4500円。
( → zakzak。参考: 三洋電機家電watch
 
 室内の空気を電解水を含ませたフィルターに強制的に通し、循環させる除菌エレメント方式では、A室とB室の間にフィルターを設置し、室内の空気を1回通過させ、通過前と通過後のウイルスの数を測定。結果、ウイルス感染価の残存率は1%で、99%のウイルスが減少した。
 電解水を霧状に放出する除菌電解ミスト方式では、放出口にH1N1型のインフルエンザウイルスを付着させた綿棒を設置し、ミストを放出し、放出前と放出後のウイルスの数を測定した。結果は除菌エレメント方式と同様に99%のウイルスが減少した。
( → 家電watch
 こういうのを教室に配備すれば、ワクチンを使わなくても、インフルエンザの感染者を大幅に減らすことができるだろう。
 価格は、ワクチンに比べて、ずっと安い。上記の例だと、約 10万円。10年ぐらいは使えそうだ。1年1万円以下。(電気代別。) 一方、ワクチンだと、一人 5000円程度。40人いれば、20万円だ。(十年続ければ、200万円。)
 「インフルエンザの感染者を減らす」というのが目的であるならば、毎年毎年、予防措置をする必要がある。とすれば、この装置は毎年稼働させることが必要だろう。(季節性インフルエンザ対策で。) その意味で、こういう機械を使う方が、ずっと理に適っている。

( ※ なお、この商品と似たものは、シャープや日立も開発している。空気清浄機などで。 → プラズマクラスターイオン



 [ 蛇足 ]
 上記のような商品で十分だが、私の珍発明(?)も、ちょっと記しておきたい。(読まなくてもよい。)

 私の珍発明。
 「電子レンジと加湿器の合成」
 つまり、加湿器で、水蒸気を放出し、それを電子レンジに通す。すると、見ず分子が電子レンジで過熱され、運動して、そこらのウイルス(飛沫に乗ったウイルス?)を熱エネルギーで破壊する。電子レンジ内に空気を送風することで、空気を循環させて、ウイルスを減らす」

 これはまあ、可能だと思うが、実用性は低そうだ。理由は、電子レンジが熱を食い過ぎて、省エネにならないから。熱エネルギーを使うのは、効率が悪い。プラズマエネルギーを使う方が、効率がいい。
 ただし、加湿器・暖房機と組み合わせるのであれば、加湿器・暖房機がどうせ熱を発生させるためにエネルギーを食うから、差し引きして、熱を食わないのと同じになる。
 でもやっぱり、無理そうだな。熱エネルギーの利用なんて、プラズマに比べると、カッコ悪い。プラズマの方が売れそうなネーミング。
posted by 管理人 at 21:26 | Comment(6) | 医学・統計
この記事へのコメント
本文の対策には賛成ですが、付記の加湿器には疑問があります。
ウイルスの吸着だけならば固く絞った濡れタオルを振り回すだけでも効果があるわけですから、学校や会社で消毒液を含ませたタオルを始業前にみんなで振り回すと言うのも安価な方法じゃないでしょうか?
加湿器は効果があると思いますので基本的には賛成ですが、なんかメーカーの宣伝にまんまと乗せられているんじゃないでしょうか?
一番効果的なのはマスク着用を義務化することかと思います。
Posted by 名無し at 2009年08月27日 07:36
 まあ、その気持ちはわかります。ただ、この機械が安ければ問題ないでしょ? 99%もウイルスを除去できるんだから。
 で、大人数用の加湿器は5万円ぐらいします。それよりたった4万円高いだけです。一人あたり 1000円。十年使えば、100円。
 それに比べると、マスクを使い捨てで買うのは、はるかにお金がかかります。
 また、ワクチンは一人あたり 5000円で、これもはるかに高い。
 すごく安価な機械をやめて、高額なマスクやワクチンにしろ、というのは、ちょっと根拠不足。発想が「 100円を惜しんで 5000円を失う」になっています。

 ──

 濡れタオルというのは、個人の部屋で加湿するだけならいいけれど、人が集まるところでウイルス除去をするには不足です。また、タオルを振り回すと、しぶきが飛び散るので、かえって感染が拡大する危険もあります。
Posted by 管理人 at 2009年08月27日 20:23
管理の悪い加湿器は別な病気を誘発する危険があるという点と99%といってもウイルスを完全に死滅させるわけではないのでフィルタについたウイルスをどう処理するか(毎日交換できるわけではないので運転を止めた夜間に活性化する可能性も否定できないと思います)によってはかえって状況を悪化させるかもしれないなと思ったわけです。(ここは詳しくないのでわかりませんが)
ちゃんと管理されるならばもちろん低コストだし賛成です。
追記しておきますとタオルは固く絞ったものを振り回すことでウイルス除去効果があると医療機関が推奨している方法だったと思います。
また、マスクは当然コストは掛かりますが、今のように各人の意思に任されている状況では保菌者がマスクをしない場合もあるので電車などでは義務化した方がよいのではないかと思った次第です。マスクだけで大丈夫とかタオルで充分だとかではなく加湿器も含めて複合して対策することが必要だと思います。
Posted by 名無し at 2009年08月27日 22:47
 まあ、あなたのブログだから自由っちゃそう
なんでしょうけど、「感染予防機能付きの加湿
器」を推薦する根拠がZAKZAKやら販売してる企業
の宣伝やら「家電watch」なんてサイトとか言うの
はひどすぎませんか?どれを見てもまともな追試
なんて受けた形跡がないし。こんな画期的なもの
であればある程度の学術的評価がされていると思
うのですが。

 大体インフルエンザって主に飛沫感染のはず。
どうやってるか知りませんけど「空気中に浮遊し
ているウイルス」を99%不活化するより、高性能な
マスクでもつけて、うがい・手洗いを徹底した方
がなんぼかましだと思いますが。
Posted by 通りすがり at 2009年09月29日 19:33
 イチャモンも受け付けていますが、せめて何か書く前に、ググってみたら?
    「空気清浄機 インフルエンザ ウイルス」
 で検索すれば、朝日・読売・毎日 その他、日本中のほとんどのマスコミが私と同様のことを書いて、より詳しく報道していますよ。そして、話の根拠は、あちこちの専門的な公衆衛生研究所です。群馬大とかね。ちゃんと記事に記してありますよ。
 専門家やマスコミがこぞって「こういう効果がある」と示しているときに、私に文句を言うのは、まったくの筋違い。言うなら当の研究機関やマスコミにでも言いなさい。というか、その前にせめてググりなさい。
Posted by 管理人 at 2009年09月29日 20:00
 空気清浄機について、次の記事があるので紹介しておこう。
 ──
 ところで、空気清浄機を購入する際に留意しておかなくてはならないことがある。

 各社が発表しているウイルスの抑制効果は、限られた環境での実験結果であるという点だ。例えば6畳間などと比べると極めて狭い環境での実証という場合もある。空気清浄機に搭載されている部品(デバイス)そのものや技術そのもので検証し、空気清浄機として検証したものではない場合もある。仮に、新型インフルエンザウイルスに100%、99.9%の抑制効果を謳っていても、「空気清浄機を買ったから新型インフルエンザにはかからない」というのとは同義語にならないことを踏まえておくべきだ。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090925/1029120/?P=2
 ──

 これは妥当である。特に、個人単位で考えるときには。
 空気清浄機が有効なのは、家庭ではなくて、集団の場だ。教室とか、職場とか、病院の待合室とか。そこでは、ウイルスに感染した人がたくさん流入するので、感染していない人が感染しにくくなる効果がある。(陰圧室の効果と同様。)
 一方、自分だけとか家族だけとかの狭い部屋で、空気清浄機を使っても、ほとんど効果はないだろう。「自分で自分に感染する」なんてことはないのだから。
 その意味で、家庭での利用は、あまりお勧めしない。やるとすれば、乳児がいる部屋で、母親が感染した場合か。ただしそれも、マスクがあれば十分かも。
 家庭ではあまり効果はないと思う。
Posted by 管理人 at 2009年09月29日 20:12
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